【2017年10月】中国子会社の管理問題への処方箋

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日本から来訪されるお客様より、「中国子会社の管理状況は大丈夫でしょうか?」「そもそも中国子会社の管理上の問題はなぜ起こるのですか?」といったお問い合わせをよく頂きます。

お問い合わせを頂いた際、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ!と思うことも少なからずあります。筆者は、「中国子会社の管理上の問題対策は、日本本社が如何に覚悟を持って対応(サポートや積極的な関わり)をしているか、中国子会社が誠実にどれだけ応えるか、に尽きる」と考えております。この様なスタンスを持った日本本社の視察は、中国子会社側で問題を起こさないよう心理的プレッシャーを与えます。

本号では、中国子会社管理上の問題行動に繋がる背景と日本本社の役割をご紹介します。

【表1】は中国子会社の管理上の問題行動に繋がる可能性がある要因を例示したものです。

Actionに記載している行動を通じ問題が発生した場合、中国人従業員の要因、日本人駐在員の要因がそれぞれ挙げられますが、中国子会社管理者は中国人従業員の要因には着目するものの、自らの要因追及を回避する傾向にあります。

一方で、日本本社では、距離や言葉の壁がある中国子会社の問題発生時には、具体的な状況を把握しにくく、問題解決を中国子会社の日本人駐在員に委ねがちですが、中国子会社の管理上の問題解決を日本人駐在員のみに委ねるのは十分な対策ではなく、日本本社も協力的に当該問題に対応する事が重要です。

【表1】管理上の問題行動に繋がる可能性ある要因(例示)

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しかし、中国子会社の管理上では限界(①判断の誤り、不注意や共謀、②環境変化や非定型的取引の発生、③費用と便益、④管理者による内部統制の無視、等)もあります。管理上の限界に留意する一方、日本本社の役割を再検討する事も、中国子会社の管理上の問題の未然防止に繋がります。

この機会に、いま一度中国子会社の管理上の問題に対し、日本本社として、あるいは中国子会社の管理について日本本社の協力をどの様に仰ぐのか、等の検討にお役立て下さい。