【2017年6月】増値税の控除に関わる新たな動向

 

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 2017年4月19日に開催された国務院常務会議で、李克強首相は新たな減税措置を導入する方針を公布した。企業経営コストの削減を通じて実体経済を支援し、景気を押し上げることを目的とするもので、その減税規模は年間で3,800億元に上ると見込まれる。 

 新たな減税措置の内、増値税の税率構造の簡素化(2017年7月1日より実施)により、増値税の税率を4段階(6%、11%、13%、17%)から3段階に簡素化し、13%の税率は廃止される。これに伴い、現在適用税率が13%の農産物、天然ガス等は11%の税率に引き下げる。

 また、増値税控除に関連して、次の新たな動向にも注目が必要である。

 2017年7月1日より、2017年7月1日以降に発行された増値税発票の税額控除の申告期限は360日間に改定された。2017年6月30日以前に発行された増値税発票の場合、税額控除の申告期限は従来通りの180日間である。会社は増値税発票における税額控除の管理を強化し、期限切れが発生しないよう注意しなければいけない。

 増値税の控除と言えば、増値税の専用発票が必要な証憑だと思われているが、以下は、普通の発票で仕入増値税が控除できる事例を纏めたもので、会社のコスト削減の参考にしていただきたい。

 1.農産物買取発票及び農産物販売発票

 財税「2017」37号通達によると、農産物を購入する際、増値税専用発票或いは税関の納税書を取得する以外、農産物の購入発票或いは販売発票に明記された売値と11%の控除率により算出した仕入税額が控除できる。

 2.増値税管理システム専用設備及びメンテナンス費用

 財税「2012」15号通達の第二条によると、増値税の納税義務者が2011年12月1日以後に増値税管理システムを初めて購入した場合、またはメンテナンス費用(2011年11月30日以前の部分を除き)を払った場合、そのシステム購入代金およびメンテナンス費用にかかる仕入増値税額について、増値税専用領収書とメンテナンス費用領収書をもって、売上増値税額から控除することができると規定されている。

 3.有料道路通行料

 財税「2016」86号の第一条によると、有料道路通行料(高速道路・有料道路・橋・水門)については、料金所で現金支払い時に手渡しされる発票に記載された料金に基づいて、次の計算式で自ら控除可能な仕入増値税額を計算することができる。

①高速道路通行料の控除可能仕入増値税額 = 発票記載金額÷(1+3%)×3% 

②一級道路・二級道路・橋・水門通行料の控除可能仕入増値税額

                    = 発票記載金額÷(1+5%)×5%