【2017年5月】褒めると叱る、バランスよくできていますか?

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3月末から4月上旬にかけての異動のシーズンも一段落と言ったところでしょうか。
今回は「褒める技術」「叱る技術」についてです。中国では叱る事も必要ですが、部
下の指導の為には特にほめる技術が重要なのではないかと思います。叱るとすぐ社員が辞めると思っていませんか?

 そもそも、なぜ社員が退職するのでしょうか?
「根性がない」とか「成長しない」とか、真っ先に部下側の理由を思いついた方は要注意です。しかし、すべての責任が管理者にあるわけでもありません。部下が育たない理由は「管理職が教え方を知らない」ためです。例えば、上司が「やる気を出せ!」と言っても「やる気を出す」がどういう行動をさしているのか、部下はわかりません。褒めるのも叱るのも「具体的に」行う必要があります。

 わかりやすく例を挙げてみましょう。
翌日の会議の事前準備事項を、忘れないように携帯電話にメモしていたとします。
「メモしている」という行為だけ見れば、仕事に対してのやる気はあるように思えます。しかし、第三者から見た場合、携帯で何をしているかわからない為、携帯で遊んでいるようにも見えます。管理者によってはその現場を目撃した場合、勝手に「あいつはやる気がない」というレッテルを貼ってしまい、本来やる気ある行動が、やる気がない行動として叱責の対象になってしまいます。ですので、しっかりとコミュニケーションをとりながら、「何故携帯を見ていたのか?」まで聞かないと、本来の評価はできないはずです。携帯を見ること自体は、やる気が無い証拠ではありません。

 さて、コミュニケーションという言葉が出てきましたで、部下とのコミュニケーションの目的についても触れてみたいと思います。部下とのコミュニケーションは、単に仲良くなる為だけではありません。「部下の価値観」を聞くことにあります。部下が5人いれば、5人それぞれの価値観で仕事をしていますので、その価値観に合わせた指導をしないと、部下は成長しません。価値観=働く動機ですから、部下を正しく理解していないと、当然適切な指導はできません。しかしながら、部下によって指導方法などを変えることができる管理者は、中国では稀だと思われます。

 最後に、まとめを記載しておきます。
① 褒めるだけ、叱るだけではダメ。あくまでもバランスよく。
② 褒める、叱るは具体的に!
③ 部下の価値観は十人十色

 日本人も中国人もこういった所は基本的には同じです。これからの駐在生活で是非
「褒めマスター」「叱りマスター」を目指してみて下さい!