[2009年3月号]会社清算の気になるところは?

 昨年後半からの販売結果、受注予測を受けて、中国現地法人の清算、出資持分権の譲渡、グループ企業の合併による事業整理を検討するケースが増えてきていると感じています。

 
実際に清算手続きに着手したところ、または、その実施に向けて問題点の洗い出しを始めたところと、日系各社の対応は様々です。
 
投資者(日本本社)としては会社を清算するにも資金コストが掛かること(例:労働契約終了による経済補償金)、現地法人の管理者としては未だ中国国内市場にて事業拡大のチャンスを模索していること等の理由により、会社清算の決断は悩ましいところです。
 
さて今回は、会社清算の基本ポイントをQA形式で確認してみます。
Q1.外商投資企業では、どの様な条件に該当すると会社清算できますか?
A1.法律上、会社の解散事由は次の通りに定められています(注1)。
Ø     会社定款に定める経営期間が満了したとき又は会社定款に定めるその他の解散事由
が発生したとき
Ø     株主会又は株主総会が解散の決議を行ったとき
Ø     会社の合併又は分割により解散が必要なとき
Ø     法により営業許可証が取り消され、閉鎖を命じられ又は取り消されたとき
Ø     人民法院が株主による解散請求の規定(注2)に基づき解散させたとき
 
一般的に、中国現地法人の定款には清算条項が設けられていますので、その規定を確認してみましょう。
Q2.清算、登記抹消手続きの基本的な流れは?
A2.    清算委員会を成立しなければなりません。清算委員会は、その成立した日から10日以内に企業登記機関に(清算委員会の)構成人員、責任者の名簿を届けなければなりません(注3)。
 
清算委員会は清算期間内において、債権、債務と清算に関する未完了業務を処理し、企業の未払税金及び清算過程において発生した税金を納付すること等の各清算業務を行い、かつ、清算完了後、清算報告書を作成します。その後、企業の権力(意思決定)機構或いは裁判所の確認を得て、企業登記機関に登記抹消を申請します。
 
実務面では、会社清算に先立ち、詳細不明な債権、債務残高や未納税金の洗い出しを行ってみましょう。
 
注1 中華人民共和国会社法 第181
外商投資企業の解散・抹消登記管理に関連する問題の通知
(以下、工商外企字[2008]226号)第2条
2 中華人民共和国会社法 第183
3 工商外企字[2008]226号 第3条、第4