[2007年08月号]何とかならないの?~外貨での立替金入金処理~

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「中国現地法人が立て替えた人民元の本社経費(出張経費、家賃等)を日本本社から外貨で受け取ってはいけないのですか?」最近顧問先からの問い合わせが多いです、この問題。昨年までは運用上特に問題なかったのですが、突然どうしたのでしょうか・・・

(これまでの経緯)

1. 外匯管理条例
 1996年1月公布「外匯管理条例」の規定では「他人のために国内の費用を人民元で支払い、相手から外貨を受け取る行為」は非合法とされている(第40条第2項)。
2. 上海市外貨管理局の監視強化
 2007年に入り上海市外貨管理局等がこのようないわゆる「立替金の外貨入金」を監視するようになった。
3. 銀行の対応
 これを受け、送金目的を立替金とする外貨の入金を口座へ入金処理しない等各銀行の方で取引顧客に注意を喚起するようになった。
4. 中国人民銀行上海支店の見解
 6月12日に「外貨による立替金の入金は非合法である」旨を通達で改めて通知するとともに「当該取引に係る外貨管理局への報告義務を銀行に課す」旨回答した(上海銀函[2007]42号)
 

違反の場合は外貨取引金額の30%以上3倍以下の罰金を取るとか!?「立替金」に名を借りた外貨投機資金が中国に大量流入しているのかよく分かりませんが、「非貿易対外送金はダメ」「通常の取引から発生する立替金の対外入金もダメ」ではビジネスに支障をきたします。何とかならないですかね、この外貨管理・・・・・?

(今後の対策)

1. 中国現地法人を通さない
 日本本社から中国の支払相手先に直接外貨で支払う。もしくは少額経費であれば出張者が日本円を両替して現地で支払う。
2. 中国現地法人にて売上、経費両建計上
 中国現地法人で人民元支払時に従前立替金(其他応収款)処理していたものをやめて管理費用等経費処理し、同時に日本本社から外貨入金した分を役務報酬として別途売上計上する。
3. 売上インボイスに混ぜる
 日本本社へ請求すべき売上代金や報酬があれば当該取引に含めて本社へ請求する。
 

1. は出来れば言うことないですが・・・・
2. は以下の問題を検討する必要があります。
(1) 役務報酬として中国で入金された金額に対して営業税が課税される。
(2) 日本本社で「役務提供費」として損金算入する際、役務を提供した旨の説明が不十分だと寄付金認定の恐れあり。
(3) 立替月と入金月が異なると損益に影響を与える可能性
3. は2.の他に移転価格問題の恐れもありです。
 

なお「日本本社宛立替金と中国現地法人の日本本社宛債務(買掛金、未払金等)を相殺する」というのは外貨建債権債務の相殺に該当して外貨年度検査等で問題になる可能性があり要注意です。ある顧問先には毎日外貨管理局から「相殺はダメ」と電話が来ているとか!怖い、コワイ