[2007年09月号]新労働契約法の特徴及び対応策

shanhai_0709.gif

新《労働契約法》(以下、新法)は2008年1月1日より実施されます。この新法の特徴及び一部内容に対する対応策について、探ってみましたので、少しでもご参考になれば幸いです。
 

一.新法の特徴
●雇用リスク及び順法リスクが共に増加します。
1)労働者をいったん採用した場合、簡単に解雇できなくなります。
2)雇用者は終身雇用の負担を強いられる一方、労働者はそれに伴う義務、責任が殆どありません。
3)規則制度について、労働者も採決権を有します。
●労働仲裁、訴訟においては労使関係の「強弱逆転」になる可能性があります。
1)無理やり残業をさせられたという抗弁は、今後の労務人事紛争実務では使用頻度が非常に高くなります。
2)企業の経済補償金の負担、紛争処理負担は増加する傾向が見られます。
●行政による検査、摘発を受ける可能性が増加する恐れがあります。


二.企業の対応策

◎労働契約書は必ず雇用契約締結後1ヶ月以内に書面にて契約を締結しなければなりません。
注:この規定に違反する場合は、労働者に対して報酬の2倍の賃金を支払わなければなりません。
◎今年度の労働者との労働契約は、慎重に検討して下さい(継続か打ち切りか?)。特に有期労働契約を連続して2回更新した場合、3回目の契約更新から終身雇用契約となります。
◎雇用者が就業規則及び諸規則の制定権を有している2007年以内に、就業規則及び諸規則の制定及び修正をお勧めします。
◎無期限労働契約に切り替わった場合、雇用者は、よほどの事情がない限り、労働者との契約を解除する事はできません。その為、就業規則及び諸規則を制定する時、解雇事由を更に細かく設定する方法を取った方がよいかと思われます。
◎雇用者は管轄労働保障局の検査を受ける前提で、残業記録、社会保険納付記録、処罰記録などを完備するようにお勧めします。

以上、新法の特徴及び一部内容に対する対応策をご紹介しました。
今回の改訂は、上述した通り、労働者には有利な点が多く見られます。合法的、合理的な就業規則及び関
連諸制度を作成・完備することによって、今後の実務上の損失を最小限に抑えるようにしましょう!!

 注:新法の実施細則が公布されるまで、不確定要素があるかと思われますので、上述した
対応策はご参考までにお役に立てください。