【2020年11月】都市維持建設税法が公布されました!

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大家好!蘇州マイツの可児です。本格的に秋も深まって過ごしやすい季節になりました。国慶節も一時帰国出来ずに寂しい想いをしていらっしゃる駐在の方々も多いと思われますが、年末年始又は春節に希望を抱いて日本のコロナ早期終息を祈りつつ、こちらで頑張ってまいりましょう。 

今年8月11日に『中華人民共和国都市維持建設税法』が全国人民代表大会常務委員会を通過し公布されました。都市維持建設税(中文:城市??建?税)とは増値税・消費税の税額に税率を乗じて課される付加税です。従来の都市維持建設税徴収の根拠条例であった中華人民共和国都市維持建設税暫定条例(国発【198519号)は新法の施行と同時に廃止されます。新法は来年の9月1日から施行されます(今年ではありません)。暫定条例から法律に格上げとなったわけですが、主な変更点は次の3点です。 

    納税義務発生時点

以前の条例では明記されていませんでしたが、今回、増値税・消費税の発生時点と同時であることが明記されました。ただ、以前の暫定条例でも同時に納付すると記載されており、そのように運用されてきました。今後も実務において変更はないと思われます。

    一部の算定基数の明文化

都市維持建設税の現行の税額算定方式は次の通りです。

(実際納付した増値税及び消費税額+当期免除控除税額期末控除留保仕入増値税のうち還付された金額)×税率

上記赤字部分については以前の暫定条例にはなく、当期免除控除税額については財税【200525号で、控除留保還付金額については財税【201880号で、それぞれ規定されたものです。このうち新法では控除留保還付金額(財税【201880号)のみ明記されており、当期免除控除税額(財税【200525号)については記載されていません。税務局のホームページの質問回答によると、新法と財税【200525号が併記されており、明確には述べられていないものの新法が施行されても財税【200525号は有効であると読めます。おそらくしばらくは現行通りですが、法に規定すると改定は非常に大変であるためあえて記載しなかったと思われます。

なお税率に変更はなく、市区は7%、県城と鎮は5%、それ以外は1%です。

    国外に支払うサービスフィー、労務費等

新法には「海外の企業と個人が国内に労務、サービス、無形資産を販売して納付する増値税、消費税の税額に対して、都市維持建設税を徴収しない。」と明記されました。この内容は新しいものでもっとも大きな変更点です。従来は日本親会社等に労務費、サービスフィー、ロイヤルティー(登録済みで増値税免税の場合を除く)等を支払う場合は、増値税と共に都市維持建設税も源泉徴収が必要でしたが、今後は不要となります。日本親会社等の海外企業にとってはコスト削減になります。