【2019年11月】日・中社会保障協定の手続きはお済みですか?

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大家好!蘇州マイツの可児です。6月号増刊でもお伝えした通り、「社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定(日・中社会保障協定)」について9月1日により発効しております。

既に多くのお客様は手続きが無事終了していると存じますが、日本年金機構の発行する「適用証明」原本の中国社会保険局への提出が9月の申請期限に間に合わず、10月以降の免除となってしまったケースが散見されます。また、協定の効力発生は9月1日ですが、各企業の駐在員については申請受理後の適用となり、9月に遡って還付はなされません。執筆時点で日本年金機構の事務センターは大変込み合っており、適用証明の要請を受け付けてから発行に約1ヶ月を要しています。まだ手続きがお済みでない方や今後の駐在が決定している方についてはお早目の申請をお勧めします。

なお、この他にも若干現場の混乱や留意点が発生しておりますので、下記にまとめます。

    窓口が受け付けてくれないケース

都市部ではない地域・日系企業が少ない地域の社会保険局において、窓口担当者が当該協定について理解しておらず、門前払いを受けたケースがありました。情報がないので処理できないとのことです。再度訪問し当該通知を示して上局に掛け合ってもらう様に依頼し、無事に本件申請は受理されました。

    適用証明の不備で差し戻されるケース

中国で社会保険局に申請書類を提出した際に、日本年金機構発行の適用証明の不備で受理されないケースがありました。具体的には現地法人の住所及び事業所名を英語で記載する欄について、システムの文字数オーバーにより印字されず、年金事務センターが手書きで補足したものについて、中国の社会保険局は受理を拒否しました。住所のビル名称をカットする、社名のCO.,LTD.をカットする等で再発行を要請して、ようやく受理されることとなりました。

日本の年金事務センターは電話質問に対応しますが、詳細不明で中国側で確認と言われ、中国の社会保険局は電話質問には応じず、窓口に書類を持参しなければ確認できません。更に日本での適用証明再発行には既に発行した原本が必要であり手間と時間がかかります。再発行後はまずPDFで印刷して中国の窓口にて確認してもらうという対応をとりました。

10/17追記:その後文字数オーバー手書き補足が相当数あり、現在一部の社会保険局はそのまま受理しています。

    上海市での対応について

上海など一部地域ではそもそ
も従来から外国人は任意適用でほとんどの方は中国の社会保障に加入していませんでした。当該通知は年金部分のみに適用されるものであり、
その他の社会保障については外国人も加入しなければならない旨が明確にされています。現時点までに上海でその他保険に加入するように指摘を受けたケースは聞いておりません。また、各企業もやぶへびになる可能性もあるため自主的に適用証明を提出するという対応はとっていないと思われます。何らかの通知が出るか指摘されるまでは様子を見るしかなさそうです。また、②の事例にあるように適用証明は再発行時に原本を返却しなければならないため、現時点で前もって適用証明を取得しておくというのもお勧めできません。