[2007年9月号]所有権移転外リース取引に係る借手側の税務

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会計上、所有権移転外ファイナンス・リースの例外処理(賃貸借処理)が廃止されたことに伴い、平成20年4月1日以後に締結される同リース契約に係るリース資産について、税務上も会計基準に合わせた改正が行われます。
 

1.リース取引の分類

リース取引 オペレーティング・リース取引
【賃貸借処理】
   
ファイナンス・リース取引
【売買処理】
所有権移転
ファイナンス・リース取引
 
所有権移転外
ファイナンス・リース取引
改正前・・・賃貸借処理可
改正後・・・売買処理のみ

 

2.法人税法の取扱い
(1) 所有権移転外ファイナンス・リース取引は、全て売買取引とみなされます。
(2) リース資産の償却方法は、リース期間定額法となります。なお、賃借料として経理した金額は、償却費として損金経理した金額として取り扱われます。
(3) リース税額控除制度が廃止されます。
 

3.消費税法の取扱い

  改正前 改正後
課税仕入の時期 賃借料の支払時 リース契約の締結時
(リース資産の引渡し時)
仕入税額控除の対象 課税期間中に支払った月額リース料に
係る消費税額の合計額
リース料総額に係る消費税額

 
4.留意事項
法人税法上は、上記Ⅱ(2)により、事実上従来通りの賃借処理も認められているため、中小法人では従来通り賃借処理を続ける可能性があります。その場合においても、消費税については、リース取引に係る経理処理にかかわらず、リース契約を締結した事業年度にリース料総額に係る仕入税額控除を受けることができます。

>> ミニかわら版9月1日号.pdf