【2021年10月】銀行手数料発票の問題

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銀行徴収の手数料、製作費等の費用について、発票が提供されず、印鑑が押された領収書のみ提供されることがよくあります。会計員は領収書にて記帳していますが、発票がなく、領収書のみを記帳証憑とし、損金に算入できるでしょうか?

現在、税務局の回答は以下の通りです。202181日より、銀行手数料発票がない限り、一切損金算入できないとのことです。関連する根拠規定は以下の通りです。

根拠規定

内容

「国務院による<中華人民共和国発票管理弁法>に対する訂正に関する決定」(中華人民共和国国務院令第587号)

<中華人民共和国発票管理弁法>第19条 商品販売、サービス提供及び他の経営活動に従事する機関と個人は、対外に経営業務が発生し代金を受領する場合、代金受領者は支払者に発票を発給すべきである。特別な情況では、代金支払者が受領者に発票を発給する。

「国務院による<中華人民共和国発票管理弁法>に対する訂正に関する決定」(中華人民共和国国務院令第587号)

<中華人民共和国発票管理弁法>第20条 すべての組織と生産や経営活動に従事する個人は商品購入やサービス受入れ及び他の経営活動に従事して代金を支払う場合、代金の支払先から発票を受け取るべきである。発票取得時に品名及び金額を変更するよう要求してはならない。

<財政部、国家税務総局による営業税から増値税への改革試行の全面的展開に関する通知>(財税[2016]36号)

<営業税から増値税への改革試行実施弁法に関する規定>第27条 下記項目の仕入れ税額は売上税額から控除してはならない。(六)購入した旅客運輸サービス、貸付サービス、飲食サービス、居民日常サービス及び娯楽サービス。貸付とは、資金を他人に貸出すことにより利息収入を取得する業務活動である。

<財政部、国家税務総局による営業税から増値税への改革試行の全面的展開に関する通知>(財税[2016]36号)

<営業税から増値税への改革試行の関連事項に関する規定>第1条 (四)仕入税額。3.納税者が貸付サービスの提供を受け、貸付者に支払った、当該貸付と直接関連する投融資顧問料、手数料、コンサルティング料等の費用について、その仕入税額を売上税額から控除することはできない。

上述の規定より、銀行は発票を発給すべきで、企業も発票を要求すべきです。銀行も企業であり、銀行が提供するサービスも増値税の課税対象であるため、増値税発票を発給するのは当たり前のことです。一方、企業はサービスの購入者として発票にて損金に算入すべきです。

企業が注意すべき点は以下の通りです。

1.    銀行貸付の利息収入については発票を発給することが必要です。貸付サービスは金融サービスの一つであり、増値税の課税対象となります。企業借入の利息支出を損金に算入する時に、発票が証憑として必要となります。企業が注意すべき点としては、財税[2016]36号により、借入利息と借入手数料に対応する仕入税額は控除できません

2.    現在企業が心配しているのは、銀行が発票を発給しない時、どうすればよいかです。<中華人民共和国発票管理弁法>により、発票管理規定を違反する行為に対して、あらゆる企業と個人は税務機関に訴えることができます。税務機関は告発者のために秘密を守り、且つ状況によって奨励を与えます。

3.    銀行から発票を取得しておらず費用を計上した場合、税務局は事実調査後に税金と滞納金を追加徴収し、且つ罰金を課します。