【2017年3月】間接部門スタッフの評価とやりがい

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経営コンサルタントの谷です。最近、複数のクライアント様より、「間接部門スタッ
フの評価で困っている」というお話を伺いました。直接部門(営業や工場)には、昨
年よりも数字
を上げるとか、生産性を高めるなどの割とはっきりとした目標がある
が、間接部門にはそういうものがないのでモティベーションが維持しにくい、と仰る
のです。

さて、間接部門は何のためにあるのでしょう?零細企業に間接部門はありません。
なぜなら社長が自分で経理も総務もやってしまうからです。会社の規模が大きくなる
と間接部門が生まれます。社長の手が回らなくなるから分担して貰うのです。とすれ
ば、間接部門は社長(経営者)にサービスを提供しているということになります。


一方、比較的小規模の会社では、社長ではなく、営業スタッフなどが間接業務を兼務
しているケースもあります。大した分量の業務ではないため、手の空いたときにやれ
てしまうのですね。
この場合でも企業規模が大きくなってくると専任スタッフを置いた方が効率的だとい
うことで間接部門が生まれてきます。もとは営業さんが処理していた業務を請け負う
のですから、そのアウトプットは営業さんのためになっているはずです。


つまり、間接部門の生み出すサービスは、①経営者、②従業員、に向けて提供されて
います。

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上記、2項目が間接部門のミッションです。


例えば私たちコンサルタントは、日常的にクライアント経営者に対し、「こんな管理
体制を作りましょう」「こんな仕組みを作って業務を効率化しましょう」というよう
な提案をしています。実はこれ、もとは間接部門の仕事です。経営者がコンサルタン
トに払ってもいいと思われる金額が、間接部門が本来生み出せるはずの「付加価値」
です。「リスク管理」しかり、「業務標準化」しかり、「各種制度作成」しかり。コ
ンサルは「運用代行」もします。これは間接部門の日常業務管理そのものです。


そう考えると、従業員向けには、可能な限り業務負荷を軽減してあげられるような提
案をすべきです。間接部門は直接部門の事務負担を減らすことがミッションなのです
から、次々と彼らの本業でないワークを奪っていくことが求められます。帳票の簡素
化や、管理業務の奪取などをどんどん進め、営業さんが「売ること」に、製造さんが
「作ること」に、開発さんが「創ること」に集中できる状態にしてもらわなければい
けません。


そして、従業員のモティベーションを高め、生産効率を上げることも間接部門にとっ
ての大事な仕事です。什器備品が壊れて生産性を落としていないか、家庭の事情
も含め業務に集中できていない社員はいないか、上司のマネジメントや職場環境の
問題で辞めそうになっている社員はいないか、会社の隅々まで目を配り、従業員の
満足度(ES)を高める施策を打っていきましょう。


間接部門がこのような仕事の仕方を当たり前にできるようになったとき、彼らに対す
る評価として「満足度による数値化」が可能になり、「全社の生産性向上」が間接部
門の成果になり、最終的には「企業業績の向上」に評価をリンクさせることに何の違
和感もなくなります。


財務部門の仕事を仕訳や帳票の入力と考えたり、人事部門の仕事を雇用手続きや賃金
計算だと考えたりしていては正しい評価はできません。経営者と従業員にどのような
価値を感じて貰っているのか、という視点で間接部門の成果を見直してみては如何で
しょうか?