【2020年12月】女性管理職の登用(ダイバーシティを考える)

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経営コンサルタントの谷です。皆様方の会社には、女性管理職は何人いらっしゃいますか?全体の50%あるいは、全社員における男女比くらいは、管理職になっておられるでしょうか。

日本企業は幹部、管理職における女性比率が先進国で最も低いそうですね。女性活躍を掲げた安倍総理も退陣され、菅総理はこれに関心はないようなので、当面トレンド的には変化はないのかもしれません。

しかし、他社が女性を登用しないということは、優秀な女性がマーケットに多くいらっしゃるということになります。もしくは自社、他社内で、その能力を発揮しないまま働いているのかもしれません。調査によって数字には差があるのですが、日本の女性管理職比率は10~20%程度、中国は30~40%程度となっていることが多いようです。

中国のこの比率はアジアでは一番だそうですが、グローバルではもっと高い国がいくらでもあります。男女に能力差がないことはすでに実証されていますので、もったいない話ですね。

でもこの話題を出すと、ほとんどの経営者は「登用しようと思っても断られる」「そこまで優秀な女性は残念ながら自社にはいない」などとおっしゃいます。実際にそうなのだろうと思いますが、これには、大前提として、過去から継承してきた仕事の仕方、「優秀」の定義、マネジメントやリーダーシップのあり方、職場環境や制度を、原則として変えるつもりがない場合において、ということです。

日本でも中国でも、男性は外で働き(戦い)、女性は家庭を守るという時代が非常に長く続き、それこそつい最近まで、それが当たり前とされてきました。会社もこれに従い、男性的なリーダーシップを組織の上層~中間管理層に要求してきました。いわば、ぐいぐい引っ張るタイプの力強いリーダーを良しとしてきた。

しかし、多くの皆様が認識されている通り、時代は変わろうとしています。いや、すでに変わっています。私自身は男性なので、女性的なリーダーシップというものを体感的には理解できていないかもしれませんが、やや誇張していうなら、「他者を蹴落としてでも勝ちにいくのではなく、皆がそれぞれの良さを生かしながら共存していく」ことを促していくような方向性なのかなあと思います。

そして、女性が管理職、幹部として活躍するためには、

1得手不得手を認めない画一的な(軍隊的な)仕事の仕方から、長所を見つけ活かすマネジメントへ変える

2家庭やプライベートとの両立を自然に実現できる多様な勤務体系を実現する

3上意下達ではなく、双方向コミュニケーションによる合意形成を是とする

 

などが推進される必要があります。1は特に従来の価値観に囚われた男性幹部には難しい部分なので、新しいマネジメントで何を重視していくかを考える際には、是非女性に加わってもらうといいでしょう。2はテレワークや短時間勤務などを柔軟に組み合わせ、「会社にいること」ではなく「仕事を完遂すること」にフォーカスすることが重要になります。3は2と相反する部分もありながら、男性同士の上司部下が「やれ!」「はいっ!」で済ませていた部分を、一見冗長とも言えるくらいの丁寧なコミュニケーションによって、合意形成と信頼醸成を行っていくというスタイルです。

 

もし皆様の会社で、女性の登用を進めていきたいというお考えがありましたら、是非ご相談ください。