2020年8月11日、十三期全国人大常委会第二十一回会議で都市建設税法の実施が確定されました。当該新税法は2021年9月1日より実施し、従来の都市建設税暫定条例(国発{1985}169号)が同時に廃止するスケジュールとなっています。
新税法、旧税法(従来の暫定条例)の比較詳細は以下の通りです。
項目 |
都市建設税 (新税法) |
都市建設税暫定条例 (旧税法) |
変更要点 |
課税根拠の変更 |
第二条 都市建設税は納税者が法規に従い、実際に納付した増値税、消費税の税額を課税根拠とする。 都市建設税の課税根拠は規定に基づき期末未控除税還付された増値税税額を控除すべきである。 |
第三条 都市建設税は納税者が実際に納付した製品税、増値税、営業税の税額を課税根拠とし、それぞれ製品税、増値税、営業税と同時に納付する。 |
新税法では財税〔2018〕80号にある「増値税期末未控除税還付が適用される納税者の場合、都市建設税、教育費附加、地方教育附加の課税根拠から還付された増値税税額を控除することができる」との内容が追加されており、現行の規定が法律とされた。 |
「納税者所在地」の地方による確定の決定 |
第四条 都市建設税の税率詳細は以下の通りである。 (一)納税者所在地が市、区である場合、税率は7%とする。 (二)納税者所在地が県城、鎮である場合、税率は5%とする。 (三)納税者所在地が(一)、(二)以外である場合、税率は1%とする。 前項でいう納税者所在地とは、納税者の住所又は納税者生産経営活動に関係するその他場所、具体的な内容は省、自治区、直轄市より確定する。 |
第四条 都市建設税の税率詳細は以下の通りである。 (一)納税者所在地が市、区である場合、税率は7%とする。 (二)納税者所在地が県城、鎮である場合、税率は5%とする。 (三)納税者所在地が(一)、(二)以外である場合、税率は1%とする。 |
新税法では「納税者所在地」との解釈が追加された。通常、「納税者所在地」と「納税地」が一致するが、特殊なパターンでは異なる状況もある。 例えば、 1流動経営をしている納税地を固定しない組織と個人。 2受託者より増値税を代理徴収する組織と個人。 上述の1、2の納税者の場合、増値税納付の所在地の税率に関する規定に基づきその当地で都市建設税を納付すればよい。 |
増値税、消費税と徴収、管理の一括化 |
第七条 都市建設税の納税義務発生タイミングは増値税、消費税の納税義務発生タイミングと同じであり、増値税、消費税と同じタイミングで納付すればよい。 第八条 都市建設税の納税義務者は増値税、消費税納税義務を持つ組織と個人であり、増値税、消費税を納付すると同時に都市建設税を納付すればよい。 |
第五条 都市建設税の徴収、管理、納税、奨励処罰等は製品税、増値税、営業税の関連規定に基づき処理することとする。 |
従来の暫定条例は詳細まで規定しておらず、徴収管理を規範するため、新税法では納税義務の発生タイミング、納税義務者、納税義務発生タイミングなどの税制要素が明確化にされた。これにより、納税者の税コストの軽減、徴収効率のアップに有利である。 |
説明
上表の一つ目の項目にある「増値税期末未控除税還付」について、税還付の制限条件が比較的厳しいため、一般的な企業ではクリアできません。その結果、都市建設税の優遇を享受できる企業も減る見込みです。
現時点では都市建設税を含めた附加税は個別の申告紙で申告しています。国家税務総局は増値税、消費税、都市建設税の一括申告を積極的に進めているようですので、申告表の使用開始などの情報を把握するために、この面における国家税務総局による規定情報に留意するようお勧めします。