【2020年10月】持分譲渡に係る税務処理及び譲渡案の選定について

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当節の経済環境下で、持分譲渡は会社の経営を継続させるために多数の企業が採用している経済行為です。

最も直接的で簡単な方法は持分を売却することで、売却収入に対し、税率25%(譲渡者が国内居住者企業の場合)又は10%(譲渡者が国外非居住者企業の場合)で企業所得税を納付します。

持分譲渡に係る税種は主に印紙税、契税(不動産取引に係る不動産取得税)、企業所得税です。

 

税種

課税根拠

通知番号

印紙税

「所有権移転証書」税目に該当し、双方が共に印紙税を納付すべきで、具体的には協議書記載金額の0.05%の印紙を貼り付ける。

中華人民共和国

印紙税暫定条例

契税

持分譲渡において、会社や個人が持分を引き受けるが、土地や家屋の所有権の移転が発生しない場合、契税を徴収しない。

[2012]4

企業所得税

譲渡協議書が発効し、且つ持分変更手続きが完了した時点で持分譲渡収入を認識する。持分譲渡収入から当該持分の取得に発生した原価を減算して算出された金額は持分譲渡所得である。持分譲渡所得の計算に当たって、被投資企業の未処分利益等株主保留利益の中に当該項目の持分により配分される可能性のある金額を控除してはならない。

国税函[2010]79 

 

所持している持分の対象会社が経営不振で欠損が続く状況であれば、持分を直接売却しても良いのですが、対象会社の経営が良好で、帳簿上未処分利益が計上されている状況であれば、直接売却は賢明な選択ではありません。

この場合、二つの譲渡案が選べます。持分譲渡をした後に利益処分をすることと利益処分をした後に持分譲渡をすることです。以下の設例により二つの案における譲渡者への影響を説明します。

甲会社は100万元を出資してA会社を設立し、持分比率が100%であることとします。A会社の純資産評価価値は200万元で、期末帳簿上未処分利益は80万元です。甲会社は所持しているA会社の全持分を乙会社に譲渡し、譲渡価額は200万元です。

 

項目

甲会社が国内居住者企業

の場合

甲会社が国外非居住者企業

の場合

譲渡案

譲渡案

譲渡案

譲渡案

譲渡収入(万元)

200

120

200

120

 譲渡利益(万元)

200-100=100

120-100=20

200-100=100

120-100=20

企業所得税(万元)

100*25%=25

20*25%=5

100*10%=10

20*10%=2

実際利益(万元)

100-25=75

80+20-5=95

100-10=90

80-8+20-2=90

 

説明:

 

上表の通り、被投資企業は帳簿上未処分利益が計上されている状況であれば、譲渡者が国内居住者企業の場合は譲渡案を選択することにより、持分譲渡の実際利益を増加させることができます。

譲渡者が国外非居住者企業の場合、配当金所得と持分譲渡所得の企業所得税率はどちらも10%であるため、譲渡案における実際利益は同じです(租税条約で約定される配当金所得の税率が10%を下回る場合を除く)。