【2015年11月】採用時の調査

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●採用時の調査の必要性

 労務トラブルはできれば起こしたくないものです。労務トラブルの原因には様々なものがありますが、中には以前在籍していた会社においても労務トラブルを起こしていた社員もおり、職歴を偽っている社員もおります。学歴を偽る社員も残念ながらおります。
できれば、採用時に社員の職歴・学歴を確認しておきたいものです。では、社員の職歴および学歴の真偽をどのように確認すればよいでしょうか。

●職歴の確認方法

 職歴については、社員の前勤務先にその都度直接電話をかけて確認することが考えられます。電話番号は社員本人から聞くこともできますが、念のためにインターネットで調べたり、1 1 4局番に問い合わせたりするなどして、確認をとっ
ておいた方が良いでしょう。離職理由が会社の倒産であったにもかかわらず、そのような事実はなく、離職理由を偽っていたケースもあります。ところが、中国では、日本のように個人情報漏えいを規制する法律は無く、個人情報保護と言
えば中国消費者権益保護法のみがある程度です。そうはいっても、在職中に転職活動を行なっている場合、現在の勤務先に連絡することは行き過ぎかと思います。
中国では、社員に対する信用調査を行う専門の調査会社があります。特に欧米系外資系企業は、課長や部長クラスの高級管理職の募集において、その経歴に不審な点があった場合、このような信用調査会社を利用し、調査を依頼することがあります。 ただし、調査会社にも様々な会社がありますので、事前に十分に調査の内容、報酬を確認する必要があります。

●学歴の確認方法

 社員が虚偽の学歴・職歴情報を提供し、これが原因で企業が採用を行った場合、企業は労働契約法 3 9条に基づき、この社員を解雇することが可能です。
しかし、労務管理の観点から見ると、非常に非効率的な作業です。そのため、採用を決定する前に、その学歴および職歴の信憑性を事前に確認するほうが効率的です。学歴の場合、政府教育部から委託を受けた中国高等教育学生情報サイト ( w w w . c h s i . c o m . c n )から 、無料で確認することも
できます。中国高等教育学生情報サイトは中国で唯一の学歴認証機関であり、同機関の証明書は就職、資格試験、留学において権威を持つものであるとされています。しかし、このサイトは、2 0 0 1年以降の大卒証書にしか対応しておらず、このサイトから確認できない場合は、教育部門または卒業した学校に直接問い合わせて確認します。虚偽の学歴証書が横行していることもあり、ほとんどの大学がこのような問合せに応じています。