[2014年12月号]5,000元以下の固定資産は一括損金算入可能です♪

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 2014年10月20日、財政部は国務院の固定資産の加速減価償却政策を徹底するため、固
定資産の加速減価償却に係る企業所得税の通知(財税【2014】75号)を発行しました。
内容は次の通りです。


 第1条:生物医薬品製造業、専用設備製造業、鉄道・船舶・航空宇宙とその他の運輸設
備製造業、コンピュータ・通信とその他の電子設備製造業、計測機器製造業、情報コミュ
ニケーション・ソフトウェアと情報テクノロジーサービス業等の6業種企業について、

2014年1月1日以後新規購入した固定資産は耐用年数の短縮または加速減価償却の
採用が認められる。

 上記6業種の小型微利企業が2014年1月1日以後新規購入した研究開発及び生産経営
に用いる計測器、設備について、単価が100万元以下のものは当期原価費用一括計上及
び税前控除(損金算入)が認められる。単価が100万元を超えるものは耐用年数の短縮また
は加速減価償却の採用が認められる。
 第2条:全業種企業が2014年1月1日以後新規購入した研究開発専用の計測器、設備に
ついて、単価が100万元以下のものは当期原価費用一括計上及び税前控除(損金算入)が
認められる。単価が100万元を超えるものは耐用年数の短縮または加速減価償却の採用
が認められる。
 第3条:全業種企業が保有する単価が5,000元以下の固定資産は、当期原価費用一括計
上及び税前控除(損金算入)が認められる。
 第4条:企業は本通知第1条、第2条の規定に基づき耐用年数を短縮する場合、最短年数
は企業所得税法実施条例第六十条に規定した耐用年数の60%を下回ってはならない。
加速減価償却する場合、200%定率法又は級数法を採用する事が可能である。本通知第1
~3条が定めない固定資産の加速減価償却に係る企業所得税の取扱いについては、引き続き企業所得税法及び同実施条例、関連規定に従う。
 第5条:本通知は2014年1月1日より執行する。


 上記は要約ではなく全訳になります。その後具体的な処理について11月17日に国家税
務総局公告2014年第64号が発行されました。ここでは予定納税時に「状況統計表」を提
出することを求めています。
財務担当者様におかれましては一読されることをお勧めします。原文はこちらをご参照
ください。
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c1311823/content.html


 私見としてポイントは次の通りです。
・第3条にあるように、全ての企業は5,000元以下の固定資産を一括して落とすことが出
 来ます。更に、過去に購入した5,000元以下の固定資産も全て一括して落とすことが
 出来ます。
・本通知は企業所得税に係る取扱いであり、原則として会計方針は従来通り変更ありま
 せん。よって、納税調整(先に減算、後に加算)が発生します。税務上の簿価と会計上
 の簿価が相違しますので、台帳で正確に計算管理する必要があります。また、税効果
 会計を適用している場合は将来加算一時差異となり、繰延税金負債が発生します。
・本通知は全て「マスト」ではなく「出来る」規定です。正確には減税ではなく課税の繰
 り延べです。期限切れの繰越欠損金が発生する場合は、適用しない方が税務上有利にな
 ります。タックスプランニングにより本通知の適用の是非を検討されることを提案しま
 す。