[2013年9月号]居留許可の取得・更新時の注意点について

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2013年7月1日より「中華人民共和国出境入境管理法(以下、管理法)」が施行され、不法就労などの罰則の明確化、パスポート所持義務違反時に罰金が科せられた場合の罰金上限額引き上げ(500元から2,000元)などが行われました。また、続く7月12日に、「外国人出入国管理条例(以下、管理条例)」(2013年9月1日施行)が交付され、居留許可の新規取得・更新方法が大きく変更されました。中国在住のすべての方に関わる大きな変更となりますが、注意すべき実務上のポイントは、以下の通りです。


1.ビザの種類の追加に伴う変更点(駐在員の家族で、中国での居留を新たに開始する場合)
   管理条例に基づき、新たにS類(中国国内に居住する外国人を訪問またはともに居留するために入国する方)など4種類のビザが追加され、ビザの種類は合計12種類となりました。なお、S類ビザは、S1ビザとS2ビザに分かれており、長期間訪問または居留する方はS1ビザを取得し入国、短期間訪問または停留する方はS2ビザを取得し入国します(管理条例における「短期」とは、180日(180日を含む)を超えないとされており、「長期」とは180日を超えるとされています)。これにより、以前はZビザを取得後(もしくはビザを取得せず入国後)、居留許可を取得していた駐在員の家族は、中国での居留(長期)を新たに開始する場合、S1ビザを取得し入国、その後、居留許可を取得することとなります。

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2.居留許可申請手続期間の延長
     管理法の施行に伴い、出入境管理局における居留許可申請手続期間が、従来の5営業日から大幅に延長され、規定上は15日以内(上海における現行の運用では15営業日以内)に居留許可が交付されることとなりました。また、居留許可の更新申請において、従来は更新前の居留許可期限当日まで、申請が受付けられていましたが、現在の規定では30日前までの受付となっております(運用上、現在は30日前以降も受付けられております)。

3.居留許可更新時のフロー
     上記の申請手続期間の延長に伴い、従来居留許可期限の約1ヶ月前から開始していた就業証・居留許可の更新手続を早めに遅くとも1ヶ月半前には開始が必要です。
フロー:就業証(労働局・実務上3ヶ月前から更新が可能・4営業日で更新)
→居留許可(出入境管理局・居留許可期限日の30日前までに申請・15営業日で更新)
→臨時住宿登録(公安局・当日更新)
※就業証の新規取得の場合、申請後「15日以内」で交付されます。


  なお、注意点としましては、最終手続である公安局での臨時住宿登録の更新を更新前の居留許可期限以内に終える必要があります。出入境管理局で居留許可申請が受付けられている場合、更新前の居留許可期限を超過した場合でも、管理条例上、問題は有りません。しかしながら、当該の時点で、公安局の臨時住宿登録に記載されているのは、更新前の居留許可期限となります。そのため、更新前の居留許可期限を超えた場合、公安局から本人宛に現況確認の問い合わせが行われる場合があります。