[2014年3月号] 解説 労務派遣暫定規定

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   3月1日から『労務派遣暫定規定』が施行されました。
そこで、今回はこの規定の内容について解説したいと思います。
 

労務派遣を使用可能な業務
◎臨時的業務:存続期間が6か月を超えない業務。
◎補助的業務:主要な業務のためにサービスを提供する、主要でない業務。
◎代替的業務:労働者が学習・休暇等のため就労不可能な期間に、それを代替する業務。


補助的業務の決め方
従業員代表大会または全従業員の討論によって「どの様な職務が補助的業務に該当するのかについての案を提出し、それについて労働組合または従業員代表と協議した上で、企業内に公示しなければならない。
 

同一職位同一賃金
派遣先は「労働契約法」第62条の規定に基づいて、派遣労働者に業務に相応しい福利厚生を提供し、差別的な待遇にしてはならない。
【賃金だけでなく福利についても同一性が求められます。】


労務派遣比率
全従業員数の10%を超えてはならない。
【2年の移行期間中に全従業員数の10%以下にする必要があります。
草案に規定されていた、「10%を超える事を理由とする派遣従業員の派遣元への送り返し」が出来るという条文が削除されました。この場合、労働関係と認定されるリスクがあります。】


偽装請負い
【雇用企業が「請負い」、「アウトソーシング」などの名目で、労務派遣の形式で労働者を使用した場合、この「暫定規定」により処理されます。
ところが、草案に規定されていた「労働者を直接管理している」という労務派遣の定義が削除され、「請負い」、「アウトソーシング」と「労務派遣」の区別があいまいになりました。】


移行期間
2014年3月1日から2016年2月28日までの2年間。

  総じて言うと、草案と比べより厳格な内容となっています。
草案は厳しいが、実際に出る正式な法律は緩くなるのではないかという期待は、完全に裏切られ、政府の本気度が伺えます。
今後、中国では直接雇用のみが唯一の雇用形態となっていくのではないかと感じました。