先日「2010中国給与管理フォーラム」が四川大学で開催され、「2010中国給与白書」が発表されました。「白書」によると、2010年の学歴別平均初任給は、専科:1,644元/月、本科:2,116元/月、修士:3,393元/月、博士:5,399元/月となっています。2009年比で、上昇率はそれぞれ本科:4%増、博士:5%増、専科と修士は6%を上回る増加率となっているとのことでした。
一方、上海では「2010年中国給与トップフォーラム」が開催され、その席上で中智(国営系・派遣大手)の関連会社が「上海市外資系企業給与調査研究成果」を発表したそうです。その内容は、上海市の2010年本科生の平均初任給が初めて3,000元/月を上回ったというものでした。
こういったニュースを見ると「新卒初任給」は、「地域、出資資本によって差があるな。つまり、会社によって多少の差はあるが本科(日本での大卒に近しい)卒者で2,000~3,000元程度だろう。」・・・と、大差はないものの、日本の「当たり前」を当てはめて理解してしまいがちです。
しかし、広大な国土を持つ「労働契約制社会」の中国での大卒「初任給」事情は、そんなに単純ではありません。地域、出資資本、学歴よりもむしろ「出身学校」「出身学部」による方が大きく「格差」があるデータがあります。
社会科学文献出版社 刊 麦可思研究院 編著「中国大学生就業報告 藍皮書(Blue Book)」がそれです。
とかく、発表されるデータの信憑性に問題がある中国ですが、麦可思研究院の報告書はサンプル数、調査方法、有効回答率なども公開され、文書内の用語の定義も行われており、好感の持てる報告書となっています。この「藍皮書(Blue Book)」に大変興味深いデータが掲載されています。
第 1位 フランス語 : 4,043元、 第 8位 ドイツ語 : 2,872元
第10位 ロシア語 : 2,818元、 第13位 朝鮮語 : 2,647元
第20位 日本語 : 2,495元(外国語ランキング50の中では最下位)