2003年から北京で実施されるようになった『中国学生による就職人気ランキング50』が今年も発表されました。日系企業では、24位の「広州本田」(08年は28位)が最高位。以下、25位に「Panasonic」(08年は27位)、49位に「広州豊田」(08年は42位)の3社がTOP50にランクインしています。「広州本田」は、2007年から3年連続、「Panasonic」は、2006年にランク外となっただけで調査が始まった2003年から7年間で6度のランクインとなっています。しかし、日本では「世界に冠たる日本一の会社」と言われる「豊田」は、中国では08年に初めて42位でランクイン。09年は順位を7つ落とす人気に留まっています。また、TOP20のランキングは、以下のようになっています。
2009年
|
2008年
|
変化
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|
企業種類
|
国籍
|
1
|
1
|
-
|
中国移動通信
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上場企業
|
中国
|
2
|
3
|
↑1
|
P&G
|
外資合弁
|
アメリカ
|
3
|
5
|
↑2
|
ハイアール
|
上場企業
|
中国
|
4
|
2
|
↓2
|
華為
|
民営企業
|
中国
|
5
|
9
|
↑4
|
中国銀行株式有限公司
|
上場企業
|
中国
|
6
|
10
|
↑4
|
GOOGLE
|
外商独資
|
アメリカ
|
7
|
8
|
↑1
|
広東核電
|
国営系
|
中国
|
8
|
4
|
↓4
|
聯想
(LENOVO) |
上場企業
|
中国
|
9
|
11
|
↑2
|
阿里巴巴(ALIBABA)
|
上場企業
|
中国
|
10
|
12
|
↑2
|
百度(BAIDU)
|
上場企業
|
中国
|
11
|
7
|
↓4
|
マイクロソフト
|
外商独資
|
アメリカ
|
12
|
6
|
↓6
|
IBM
|
外商独資
|
アメリカ
|
13
|
13
|
-
|
中国電信(China Telecom)
|
上場企業
|
中国
|
14
|
19
|
↑5
|
ZTE
|
上場企業
|
中国
|
15
|
14
|
↓1
|
騰訊(TENCENT)
|
上場企業
|
中国
|
16
|
18
|
↑2
|
中国石油天然ガス集団
|
上場企業
|
中国
|
17
|
17
|
-
|
招商銀行
|
上場企業
|
中国
|
18
|
15
|
↓3
|
中国石油化工集団
|
上場企業
|
中国
|
19
|
25
|
↑6
|
ジョンソン(中国)
|
外商独資
|
アメリカ
|
20
|
33
|
↑13
|
中国工商銀行
|
上場企業
|
中国
|
2009年は、TOP20社のうち実に15社、シェアにして75%が中国系企業で占められています。今でこそ中国学生に大人気となっている中国系企業ですが、調査の始まった2003年当時、TOP20にランクインしたのはわずかに7社と、シェアにしてわずか35%だったことはあまり知られていません。2003年から2009年までの人気企業ランキングTOP20社中の「中国系シェア」と「外資系シェア」の推移を表にまとめると以下のようになります。
TOP20のシェア
|
2003
|
2004
|
2005
|
2006
|
2007
|
2008
|
2009
|
中国系
|
35%
|
40%
|
40%
|
50%
|
60%
|
75%
|
75%
|
外資系
|
65%
|
60%
|
60%
|
50%
|
40%
|
25%
|
25%
|
このように、世界の中で中国が存在感を増してきているのと同時に、中国系企業が学生の人気を獲得してきていることが顕著に現れています。2009年度調査では、有効回答をした19万人の学生のうち、実に1/3が国有企業を入社希望の第1位に挙げているようです。
こういったデータからも、「世界の中での中国の台頭」、また日系企業の「世界で戦うことの難しさ」を感じさせてくれるのではないでしょうか。