[2008年6月号]労働契約法実施細則:草案








 

5月8日に労働契約法 実施細則の「 草案 」(全5章・45条)が「国務院発」で公表されました。内容は、大きく分けて3種類(1)労働契約の締結と履行について、(2)労働契約の解除と終止について、(3)労務派遣に対する規程について、定められています。5月20日までに、各方面から意見を徴収し、その後確定の発表となる予定です。しかし、懸案事項となっていた、無固定期限となる労働契約の更新回数が2回目なのか3回目なのか、といった点には触れられていない、実施細則に規程されている条文も不明瞭なものもあるなど、不確定要素はまだまだ存在していると言える状態です。今回はこの草案に規程された、実務において重要と思われる内容を抜粋しご説明します。

 

(1)労働契約の締結と履行 について

● 労働関係は、契約締結日に発生するのではなく、出社日からと規程(第5条)
● 労働者が、出社してもなお書面による労働契約の締結を拒否するような場合、会社は3日前

  までに書面で労働者に通知することで労働関係を終了でき、かつ経済補償金を支払う必要も
  ない。(第6条)

 ※ 出社日から1ヶ月以内に書面による労働契約を締結しない場合、会社は2倍の給与を支払う
 
罰則が労働契約法に定められています。第6条の
規程は、労働者が意図的に書面での労働契
 
約締結を引き伸ばす悪質な行為を防止するための
規程と解釈できます。

● 無固定期限契約となる条件である「勤続満10年」とは、労働契約法施行前の出社日から
  起算しなければならない。(第9条)
● 固定期間労働契約書で、「自動更新」を約定して、実際に延長となった場合は、固定期間労働
  契約を更新したものとみなす。(第11条)

● 労働契約が満了しているにも関わらず、会社側が気付いていないなどで、労働者が継続して
  就労している場合は、固定期間労働契約を更新したものとみなす。(第13条)
 

(2)労働契約の解除と終止 について

● 労働者が試用期間中に業務外の疾病・負傷で、医療期間が満了した場合や、業務に堪える
  ことができない場合は、採用条件に適合しないとして労働契約を解除できる(=経済補償金
  不要)。また、労働契約法に定める人員削減時には、試用期間中の労働契約を解除することが

  できる(経済補償金必要、と思われる)。(第27条)
● 無固定期限労働契約であっても、労働契約法に定める「会社都合での契約解除」に相当する

  事由に合致した場合は、労働契約を解除することができる。(第28条)

● 法定「定年退職年齢(男性:60歳、女性:50歳・55歳)」が有効と明言。(第33条)

(3)労務派遣の特別規程 について

 
● 労働者使用会社(派遣先)は、主要業務以外の職位、6ヶ月未満の限定的職位、臨時的職位
  において、労務派遣労働者を用いる。(第38条)
  労務派遣会社(派遣元)は、派遣される労働者と試用期間を約定してはならない。(第38条)
 ※ 現在多くの日系企業において実施されている、派遣会社を通じた労働者に主要業務を行わせ
   ている例は、この第38条に抵触してしまいます。また、条文の主語は(派遣先)となって
   いるため、細則に抵触した行為の責任は(派遣先会社)にあると読み取れてしまいます。
 
気になる点は多々ありますが、早ければ6月と言われている細則の確定を待つしかないようです。
 
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