[2008年4月号]上海給与事情2008【日本語プレミアム編】

 「日本語プレミアム」とは、あまり聞きなれない言葉かもしれません。

日本語という特殊能力に対する付加価値としての給与増加分として定義して弊社では使用しています。

個別給与の決定には様々な要因があるのですが、その中でも特に日系企業において顕著なのがこの「日本語プレミアム」です。

 

 下記のグラフは、弊社で刊行している「2007年 中国華東地域(上海)日系企業 給与調査報告書2008」から「職種別 日本語能力による給与格差」を抜粋しました。

 各企業様からご提供いただいた、10,829名分の給与明細データから、日本語能力によるアンケートにおいて有効回答であったものだけを抽出して集計しました。日本語が「話せる」(ビジネスレベル&日常会話レベル)サンプルと、日本語が「話せない」サンプルに分け、合計6,869名の方々の給与を「職種別」に集計したものです。数値は中位平均(※)年収です。

 ※中位平均とは、飛びぬけた上下10%のサンプルを削除し、中位80%の平均をとった弊社独自の指標

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ここには階層(役職)は含まれていませんが、ご覧のように日本語が「できる」・「できない」だけで、倍近く、それ以上の格差がついています。これは、同じ難易度の仕事をしている人材でも、日本語という特殊能力を有しているだけで月収ベースでも数千元もの給与格差が発生している可能性を示しています。

 もちろん、このデータだけではサンプル数の違いなどの誤差は当然含まれていますので、数値まで正確な格差とは言えません。しかし、日本語というマイナー言語を有し、かつ仕事についての専門知識・能力を併せ持った人材は、高い付加価値のついた給与になっている実態は間違いなく存在していると言えるのではないでしょうか。

 世界一とも言われる給与格差が存在し、私たち日本人が当たり前に使っている言語に想像以上のプレミアムがついている「中国(上海)給与」の実態をぜひ、弊社刊「給与調査報告書2008」でご確認下さい。