市民の約5000人に1人が参加することになる裁判員制度。
従業員が裁判員になることを想定して、就業規則等の見直しなど事前に準備しておく事項も少なくありません。そこで、裁判員制度の概要と事業主の対応についてご説明いたします。
【概 要】
裁判員制度とは国民が、刑事手続のうち地方裁判所で行われる一定の重大犯罪の刑事裁判(第一審)に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするのかを裁判官と一緒に決める制度です。
【裁判員の辞退】
原 則 | ・裁判員を辞退することは認められない |
例 外 | ・法律に定める事由に該当すると辞退を申し出ることができる |
単に「仕事が忙しいから」という理由で辞退することはできませんが、その方が用務を処理しなければ事業に著しい損害が生じる恐れがある場合には、辞退を申し出ることが認められます。
【事業主の対応】
禁 止 | ・裁判員の職務を行うために休暇を取得したことなどを理由に解雇その他不利益な取扱いをすること |
義務 有り |
・裁判に参加することなどの「公民権行使」の時間の保障等 |
義務 なし |
・裁判員の仕事に従事するための休暇制度を設ける等 |
従業員が裁判員になった時にどのように対応するのか、その都度、取扱いが異なることにならないよう、明確に定めておくことをお勧めします。