経営者が「知っておかなければならない」新・労働契約法の内容をご紹介する、「盲点とその対応策」その2は試用期間についてご紹介します。
●〔2〕試用期間について
新・労働契約法では、試用期間について今まで明確な定めのなかった事項においてまで詳細に規定されています。条文に明記されている内容をまとめてみました。
【 今月の必須!対策 】 | ||||||||||
☆ 試用期間も労働契約中である事を改めて肝に銘じておきましょう! (1)労働契約期間に対応した試用期間(第19条)
(2)試用期間中の給与(第20条) (3)試用期間中の解雇制限(第21条) (4)その他 |
【盲点:要注意です!】
(3)試用期間中、従来通りに経済補償金などの支払い義務を負う事なく、明確に契約解除できる条件は以下2つと覚えておいて下さい。
その1:試用期間中に採用条件に合致しないことが証明された場合。
その2:労働者が使用者の制度規定に違反し、その程度が重い場合。
従来のような「感覚」を理由にした試用期間中の契約解除は、難しくなります。今回の新法では経済補償金の支払い義務範囲が大幅に拡大されているとも解釈できますので、思わぬ痛手をこうむる事になるかもしれません。しかし、極わずかな「ダメな人材」のために労力をかけてしまい、優秀な人材のモチベーションを入社前から下げてしまうような条件提示も考えものです。そこで、「こういう人はダメ」というネガティブリストではなく、「これができる人を採用したい」というポジティブリスト=「評価基準」で判定してみても良いかもしれません。労使関係でWin-Winの関係を築ける合理的な「評価制度」「就業規則」の構築が新・労働契約法対策の極意とも言えるのではないでしょうか。