[2008年1月号]原価計算に必要なデータは?

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 製造業であれば、製品1単位あたり「どれぐらいのコストでできたのか?」或いは「どれぐらいの粗利を稼ぐことができたのか?」は経営管理上とても重要な情報です。この情報を得るためには適正な原価計算が行われる必要があります。
 一口に「原価計算」といってもさまざまな方法がありますが、今回は最も単純な原価計算構造を例にとって説明します。
 下図は、製品種類別の原価計算を行う際、最低限必要なデータを勘定連絡図の形で示しています。意外とたくさんのデータが必要になることに驚かれると思います。
 今回は、これらのデータの内、左側の「原価要素集計」に必要なデータに絞って説明しましょう。
 

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 原価要素の集計において、「いくら?」を算定するためには、「数量(個数)×単価(値段)」に分解して、それぞれの数値を把握する必要があります。例えば、原材料費であれば、入庫・出庫・棚卸のそれぞれの場面で「数量(個数)×単価(値段)」が判明しなければなりません。労務費については、「工数(時間)×時給」と言うように分解され、それぞれを把握します。
 ここで、財務担当者や倉庫担当者、人事担当者の各々の気分や都合によって毎月各データの生成方法が変われば、原価計算結果も変わり、これを経営判断に利用していれば思わぬ事態になりかねません。(よくある事例として、仕入単価がUPしているのに、旧単価のまま原価計算している等。)
 したがって重要なことは、「各データの生成作業及び入手経路は定型化される必要があり、かつ毎月定型化された方法によって適正な各データが把握・集計されなければならない。」と言うことです。
 貴社におかれましても、原価計算に必要なデータ及び適切な入手方法を各担当者に指示することができるようにするため、関連部門を横断した業務フローや業務マニュアルの形で文書化することをお勧めします。