PDF版はこちら → 華南通信 2023年3月号
2023年1月6日、科学技術部と人力資源社会保障部は広州市と深セン市における外国籍「ハイエンド、希少」人材の認定基準に関し、範囲を拡大して試行作業を実施することを通知(国科弁才【2022】181号、182号)しました。この通知は、中国共産党の第20回大会と中央人材業務の会議精神を徹底させ、国務院の「ビジネス経営環境の創新試行作業の展開に関する意見」(国発[2021]24号)の要求を実行するものです。
本通信では、外国籍「ハイエンド·希少」人材を対象とする認定範囲拡大の試行政策のうち特に着目すべき点を以下に纏めます。
一、「国家外国専門家局、人力資源社会保障部、外交部、公安部の外国人の中国での勤務許可制度の全面的な実施に関する通知」(外専発[2017]40号)に基づき、「外国人の中国での勤務分類標準(試行)」を基に、広州市と深セン市がそれぞれ「外国籍「ハイエンド」人材認定標準(試行)」と「外国籍「希少」人材職位目録(試行)」に沿って、外国籍ハイエンド人材(A類)と外国籍専門人材(B類)の認定範囲を更に拡大することとなりました。
①A類について、広州市と深セン市の「外国籍“ハイエンド”人材の認定標準(試行)」では、共通して新たに“七、関係部門により推薦された人材”を新設した他、一部基準の認定内容に追加(認定基準の第二、第三及び第五)があります。
認定基準 | 追加内容の概要(抜粋) |
一、国内人材導入計画に入選された人材 | - |
二、国際的に公認された専門的な成果の認定標準に符合する人材 | 国内外の研究機関で中級以上の管理職または研究員、副研究員の経験がある⼈材 |
三、市場向けの奨励類職位ニーズに符合する外国人材(注) | 外資系研究開発センター(商務部⾨認定)など各研究機関の上級管理職・技術職や「外商投資奨励産業⽬録」に該当する⼩規模外商投資企業の董事⻑、法定代表⼈、総経理、⾸席技術専⾨家、平均収入が現地の前年度全口径城鎮事業体就業者の平均収入の6倍以上(注)の人材 |
四、創新創業人材 | - |
五、優秀な青年人材 | 直近5年内で世界トップ200の⼤学を卒業し、科学・技術・⼯学・数学(STEM)を専攻した40歳以下の博⼠ |
六、人材認定の累計ポイントは85点以上の人材 | - |
七、関係部門により推薦された人材 | 重点発展分野、核心技術研究などに従事し、両市の関連する業界の政府主管部⾨から推薦状を得た人材 |
注:給与条件は、従来基準では、「平均収入が現地の前年度社会平均収入の6倍以上」と定めていたが、上記通知により、外国籍人材の収入要件が緩和され、認定範囲拡大に繋がっています。
②B類について、広州市と深セン市の「外国籍希少人材職位目録(試行)」を発表
広州市は、次世代情報技術、スマートカー・新エネルギー⾞、バイオ医薬・健康等8業界の104個の人材職種が該当。深セン市は、インターネット・通信、半導体・集積回路、精密機器設備等17業界の114個の人材職種が該当。
二、広州市と深セン市の外国籍「ハイエンド·希少」人材の認定標準試行作業は2023年1月1日から実施し、試行期間が2年となります。
「ハイエンド·希少」人材の認定範囲の拡大により、外国籍の管理者や技術者等が中国での就労ビザを取得する際に対象者の拡大便宜が図られ、中国経済発展に必要な外国籍人材の中国での就労を更に促進するとの中国政府の具体的な施策の一つとなります。
なお、両市共通の追加認定内容以外にも、それぞれに「ハイエンド·希少」人材の認定に関する独自の認定内容もありますので、より詳細な判断基準等の詳しい情報については、広州マイツまでお問い合わせください。
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