【2019年6月】加速償却の対象が全製造業に拡大されました!

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以前、上海通信2014年12月号及び2015年12月号でご紹介した通り、税務上、固定資産の加速減価償却の優遇政策を適用できる業種は、主に生物医薬品製造業、専用設備製造業、鉄道・船舶・航空宇宙とその他の運輸設備製造業、コンピュータ・通信とその他の電子設備製造業、計測機器製造業、情報コミュニケーション・ソフトウェアと情報テクノロジーサービス業等の6業種(財税【2014】75号で規定)と、軽工業、紡績、機械、自動車の4重点業種(財税【2015】106号により業種拡大)とされていました。これが、2019年4月23日公布の「固定資産の加速減価償却に係る優遇政策の適用範囲拡大に関する公告」(財税【2019】66号)により、適用業種がさらに拡大され、全製造業が対象となりました。主要内容は下記の通りです。

 ・財税【2014】75号と財税【2015】106号で規定している固定資産の加速減価償却の優遇を享受できる業種の範囲を全製造業に拡大する。本規定は2019年1月1日に遡って適用される。

 ・製造業に該当するかどうかは、国家統計局が定める「国民経済産業分類(GB/T 4754―2017)」に基 づき、決定する。

今回の業種範囲拡大の影響も踏まえ、これまで公布されている固定資産の減価償却に関する税務上の優遇政策を纏めると、本上海通信執筆時点では下記の通りになると考えられます。

上海20190531_02.png(注)耐用年数を短縮する場合、最短年数は税法で規定する耐用年数の60%とする。加速減価償却を採用する場合、200%定率法又は級数法を選択できる。

これまでの上海通信でも言及している通り(2014年12月号、2015年12月号、2018年8月、11月号参照)、これらは減税ではなく課税の繰り延べ効果を享受できる優遇政策であり、適用するかどうかは企業の判断で決定することができます。自社の資金繰りの状況、タックスプランニング等により、適用の是非をご検討ください。