今回は生産型企業の拠点である蘇州地区より、工場から見た中国国内販売における取引段階別のチェックリストをお伝えします。
日系製造企業では、かつての輸出取引依存から内販形態へのシフトが急加速しているのはご存知かと思います。一方、弊社のお客様からは内販促進に伴う法律面の悩みが多く寄せられています。その相談内容をベーシックな質問として8項目に纏めてみました。
貴社はいくつの項目を解決済みでしょうか!?
<取引開始前>
□ 他社製品を販売するには、認可済みの経営範囲を拡大して対応すべきか?若しくは、貿易型企業を別に設立すべきか?
□ 認可済みの経営範囲に基づき自社製品以外の販売ができるはずであるが、実際に想定している商流をどの範囲までカバーしているのか分かり難い。
□ 新規販売先の与信情報を取りたい。日本では法務局や民間信用調査会社から情報収集していたが、中国ではどの様に実施して良いか分からない。(または、この情報収集の手続きを省略している。)
□ 販売先からは厳しい取引条件を盛り込んだ中国語の契約書を提示されている。その内容は当社にとって不利に感じる項目が多い。ここで取引維持を前提に、中国での商慣行を加味しつつ、どこまで自己の権利を主張できるのか?
<取引初期段階>
□ 取引先へ御礼のつもりで物品を贈呈した。しかし、中国では商業賄賂と見なされ厳しい
ペナルティーが課されることも有ると聞いた。どうやら日本の接待交際とは違うようだ。
□ 中国国内で取引拡大はしたいが、一方では自社のノウハウ流出が気になっている。
知的財産権の法的保護をしなければならないと思いつつ、未だ着手していない。
<取引進行段階>
□ 売掛金の回収遅延が目立ってきた。納入先からは最終検収がなかなか上がらなく、また
検収後の支払い自体が徐々に不定期になっている。そろそろ適切な法的措置を検討しな
ければならないと感じている。
□ 自社のコピー商品が出回っている情報を入手したため、早速、実態の調査を行い、第三
者へ対策を依頼した。各社それぞれの方法で模造品対策に乗り出していると聞いている
が、実際、どの程度まで対処できるのか?
さて、全ての項目をクリアーされていますでしょうか?