[2009年12月号]中国でネット販売したいのですが?

  上海マイツ副総経理の松浦です。実は10月末で東京へ帰任となりまして、本稿は東京事務所(株式会社東
マイツ、場所は京橋)で執筆しております。上海に7年間駐在しましたが、この間中国顧問先の皆様には大変
お世話になり、ありがとうございます。今後、東京で日中ビジネスサポートを致しますので、今後とも上海マイツ・
東京マイツをよろしくお願い致します。

 
て、日本や欧米の消費動向、及び中国GDPの拡大(2010年には米ドル換算額で日本GDPを抜く可能性)により最近「中国でネット販売をしたいのですが?会社設立はできますか?」というお問い合わせを弊社にも多く頂くようになっております。この件、中国国内でも日本国内でも情報が氾濫しておりますが、ここでは基本を整理しましょう。
 
1.ICPライセンスとは何か?(中国国内でネット販売する時には必ず必要)
ICPとは“Internet Contents Provider”の略です。中国国内に営利目的で開設されたサイトはすべて
ICPライセンスがないと運営出来ません。中国工業・情報化部が管理しております。
 
2.中国での受け皿の作り方
(1) 外資企業設立
経営範囲の問題に関する下記2つの制約の上、実務運用上も外資に対するICPライセンスの発行は大変厳しくなっております。
    外資産業指導目録(外資が可能な経営範囲を規定している)上インターネット販売は制限類のため、合弁(かつ内資比率51%以上)でないと設立できません。
    外商投資商業領域管理弁法(外資に対する中国国内流通権(卸、小売)を規定する、通称「8号令」)に基づくと、インターネット販売という経営範囲は北京商務部の許認可事項となっております。
(2) 内資企業設立
中国人が出資する分には原則として可能です。ただし、外商投資企業が出資して設立された内資企業の場合、ICPライセンス取得は難しいでしょう。
(3) その他の方法
      ICPライセンス保有の既存内資企業による仲介
□     外部プラットフォーム(アリババドットコム、淘宝など)の利用
 
3.日本のサイトからネット販売はできるか?
以下2点を検討しなければなりません。
(1) 商品流通:どのように商品を中国へ送るか
(2) 代金決済:中国は外貨管理が厳しい
 
上記1.~3.を踏まえると、現実的には中国内資企業の力を借りないとビジネスレベルでは
ネット販売できないでしょう。