[2007年4月号]取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度の特例

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中小企業の事業承継を円滑に進めるため、相続時精算課税制度を拡充し、事業承継に係る取引相場のない株式等の贈与については、贈与者(親)の年齢要件を60歳に引き下げ、非課税枠を3,000万円に増額される特例が創設される予定です。
 

1.従来の相続時精算課税制度との比較

  相続時精算課税制度(原則) 住宅取得等資金に係る特例 取引相場のない株式等に
係る特例(新設)
適用対象者
(注)
贈与者・・・65歳以上の親
受贈者・・・20歳以上の子
贈与者・・・65歳未満も可
受贈者・・・20歳以上の子
贈与者・・・60歳以上の親
受贈者・・・20歳以上の子
適用対象
資  産
制限なし 住宅取得等の対価に
充てるための金銭
2.の適用要件を満たす
取引相場のない株式等
非課税枠 2,500万円 3,500万円 3,000万円

(注)年齢は贈与をした年の1月1日時点で判定します。
 

2.適用要件
(1) その会社の発行済株式等の総額(相続税評価ベース)が20億円未満であること。
(2) 次の全ての要件をこの特例に係る贈与税の申告期限から4年経過時において満たしていること。
① その受贈者がその会社の発行済株式等の総数の50%超を所有し、かつ、議決権の50%超を有していること。
② その受贈者がその会社の代表者としてその会社の経営に従事していること。
(3) その他所要の要件を満たすこと。
 

3.適用時期
平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に行う贈与について適用。
 

4.留意事項
事業承継対策の一環として活用が期待されますが、留意すべき点は、4年経過時において受贈者である子が代表取締役に就任できなくなった等の特例要件を満たさなかった場合、特例の適用が認められないことになり、修正申告を行う必要が生ずることです。従って、本制度の選択に当たっては専門家に相談するなど、慎重に行ってください。
 

>> ミニかわら版2007年4月号.pdf