日中クロスボーダーM&Aコラム
「IM(企業概要書)とは?」
Q:IM(企業概要書)とは何ですか?
A:M&AのIM(企業概要書)とは、Information Memorandumの略で、売手企業(譲渡企業)が買手企業(譲受企業)に対して自社の詳細情報を提供するための文書です。IMは通常、売手企業のアドバイザーやM&A専門のコンサルタントによって作成されます。
解説:
IM(企業概要書)の目的と役割
IMの主な目的は、NDAを締結した買手企業に対して、買収対象企業の全体像を提供することです。これにより、買手企業は対象企業の価値や将来の成長可能性を評価し、M&Aの意思決定を支援するための基本情報を得ることができます。
買手企業はこの文書をもとに、対象企業の価値や買収のメリットを評価し、次のステップとなるLOIの締結に進むかどうかを判断します。
IM(企業概要書)に記載する内容
IMには以下のような情報が含まれます:
- ●会社概要:設立年、所在地、事業内容、従業員数など、基本的な企業情報。
- ●事業内容:提供する製品やサービス、ビジネスモデル、主要な市場および顧客。
- ●市場分析:業界の動向、市場規模、競合他社分析、成長見通し。
- ●財務情報:売上高、利益、キャッシュフロー、負債、資本構成などの詳細な財務データ、直近3~5期分の財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)。
- ●経営陣:経営陣のプロフィール、役割、経歴。
- ●戦略と計画:企業の現在の戦略、将来の成長計画、新製品の投入予定、研究開発活動など。
- ●リスク要因:ビジネスや市場に関連するリスク、法的問題、規制環境など。
- ●資産と負債:主要な資産(土地使用権、建物の詳細と図面、機械設備、知的財産など)と負債。
- ●その他の重要情報:特許や知的財産、重要な契約、顧客やサプライチェーンの状況など
日中クロスボーダー案件のIM(企業概要書)作成注意点
日中のクロスボーダーM&AにおけるIM(企業概要書)作成は、両国のビジネス環境や文化、法規制を深く理解し、それに基づいて正確で透明性の高い情報を提供することが鍵となります。これにより、買い手は十分な情報に基づいた意思決定を行うことができ、成功の可能性が高まります。