PDF版はこちら →China Info. JPマイツ通信 2024年9月号【増刊号】
JPマイツ通信2024年9月号[i]にて、法定退職年齢の引上げについて、未確定情報とその背景等をお伝えしましたが、予想外に早く、段階的な法定退職年齢の引上げに関する弁法(以下“同弁法”)[ii]が公布され、2025年1月から移行措置が開始されます。同弁法では、15年の移行期間を設けて、法定退職年齢について、男性は63歳に、女性は55歳と58歳に引き上げます。本稿は増刊号として、改正内容の骨子のみに絞り、お伝えします。
1.改正内容①:法定退職年齢はいつになる?
同弁法では男女共に15年間の移行期間を経て、最終的には、現行よりも3歳乃至5歳の引上げを行います。
また、同弁法では、段階的かつ柔軟な実施を強調しており、従業員に対し一定条件下での早期退職や定年延長を認めています。例えば、最低加入期間を充足した従業員であれば、女性従業員の場合は非幹部50歳と幹部55歳、男性従業員は60歳との当初の法定退職年齢を下回らないとの条件付きで早期退職を選択可能です。また法定退職年齢に達した従業員は、雇用主と協議して合意した場合、最大3年間、退職時期を延長できます[iii]。
2.改正内容②:現行の退職年齢や納付期間をどのように延長する?
同弁法の巻末には、以下のカテゴリーごとに、対象となる過渡期の従業員の生年月(ひと月)ごとに法定退職年齢と退職時期を表示した退職年齢の早見表(下記の附件1~3)と、過渡期における年ごとの基礎年金最低加入期間の推移表(下記の附件4)を、併せて提示しています。
- 附件1:<男性従業員の、法定退職年齢の引上げ対照表(詳細は同弁法URL参照)>
- 附件2:<現行の法定退職年齢55歳女性従業員の、法定退職年齢の引上げ対照表(同上)>
- 附件3:<現行の法定退職年齢50歳女性従業員の、法定退職年齢の引上げ対照表(同上)>
- 附件4:<最低加入期間の引上げ状況表(同上)>
同弁法URLを再掲:全国人民代表大会常务委员会关于实施渐进式延迟法定退休年龄的决定_中国人大网 (npc.gov.cn) |
同弁法の施行は就業規則や人事・労務等に係る実務操作に止まらず、広汎に大きな影響を与えると考えます。
今後、移行期間2025年1月実施に向け、マイツグループも追加情報があれば、適時にお伝えします。
[i] JPマイツ通信を含むマイツグループニューズレターは下記URLの通り。
URL:ニューズレター アーカイブ| 株式会社マイツ (myts.co.jp)
[ii] 原文URL:全国人民代表大会常务委员会关于实施渐进式延迟法定退休年龄的决定_中国人大网 (npc.gov.cn)
[iii] 但し、地方法規があれば、別途、当該定めに従う。