PDF版はこちら → China Info JPマイツ通信 2022年12月号増刊号
2022年6月以降、相次いで中国の水際対策が緩和[i]され、同年12月7日付け聯防聯控機制綜発「2022」113号[ii]等により、“(条件を備える)無症状感染者及び軽症者に対する自宅隔離”や“濃厚接触者への5日間の自宅隔離”を許容し、また健康コードやPCR検査の陰性証明の提示を撤廃しています。このように、中国国内ではゼロコロナ政策からの大転換が図られつつありますが、全て中国国内での制限緩和に止まりました。
しかし今般、同年12月26日付け公布の聯防聯控機制綜発「2022」144号(以下“乙類乙管理総体方案”と表記)[iii]、及び同日付けの国家衛生健康委員会2022年第7号公告[iv]により、遂に2023年1月8日より海外からの入国者に対する隔離措置が撤廃されます。
- 乙類乙管理総体方案
乙類乙管理総体方案では、“三、主要措施”において“(一)老人の新型コロナワクチン接種率の更なる向上”を始めとした12項目が挙げられていますが、“(十二)中外人員の往来管理の最適化”が特筆され、以下の通りです。
➤ 入国時に搭乗48時間以内のPCR検査により陰性であれば入国可能であり、在外公館への健康コードの申請は不要。結果を税関健康申告カードに記入すれば可。 (もし陽性であれば、陰性となった後、入国可能)。 ➤ 入国後の全員に対するPCR検査と集中隔離を取消する。 ➤ 健康申告が正常且つ税関での通常検疫にて異常が無ければ、通常の生活に入ることができる。 ➤ フライトの機上では引続き、防疫を継続し、乗客はマスクを着用する。 |
更に、各航空会社に対する厳格な便数制限や座席数制限など国際旅客便の数量管理の取消や、少しずつ水路、陸路の出入国を回復し、更に、中国人の海外旅行も秩序を持たせつつ回復させる等も謳われています。
- 国家衛生健康委員会2022年第7号公告
同公告の主要内容は以下の通りです。
➤ 新型コロナウイルス肺炎を新型コロナウイルス感染症に改称する。
➤ 2023年1月8日より、新型コロナウイルス感染症に対して、「伝染病防治法」による甲類伝染病[v]の予防・管理措置を解除し、「国境衛生検疫法」による検疫伝染病管理に組入れない。 |
従い、2023年1月8日より海外からの入国者に対する隔離措置が撤廃されることとなります。
- 留意事項
長く待ち望まれていた入国時の隔離措置の撤廃は朗報です。更に各航空会社に対する厳格な便数制限の取消や将来的な中国人海外旅行の解禁も謳われており、今後、日中間のフライトの増便も期待されます。
一方で、中国国内はゼロコロナ政策からの転換以降、感染の急拡大により解熱剤が入手できない、医療体制への懸念など各種の問題が生じています。目下の感染状況を鑑みれば不要不急の出張や移動を回避し、状況の変化に応じて臨機応変に予定を変更するなど、最新情報の入手に留意しつつ、慎重な行動が求められます。
[i] 過去の経緯は(既往JPマイツ通信など)ニューズレターを参照のこと。URL:ニューズレター アーカイブ| 株式会社マイツ (myts.co.jp)
[ii] 原文は右記URLの通り。URL: 关于进一步优化落实新冠肺炎疫情防控措施的通知_部门政务_中国政府网 (www.gov.cn)
[iii] 原文は右記URLの通り。URL:关于印发对新型冠状病毒感染实施“乙类乙管”总体方案的通知 (nhc.gov.cn)
[iv] 原文は右記URLの通り。URL: 公告 (nhc.gov.cn)
[v] 甲類伝染病とはコレラやペストを指す。また、乙類甲管理には伝染性非典型肺炎(所謂“SARS”)等がある。