【2024年4月】新会社法の変更点の解読

 

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新会社法は2024年7月1日より正式に施行されます。その中の重大な変更点について以下の通り纏めました。

キーワード 新会社法 解説
有限責任会社の登録資本金の払込期限を5年以内と規定 第47条第1項 全株主が引き受けた出資額は、株主が会社定款の規定に基づいて会社設立日より5年以内に全額払い込む。

第266条第2項 本法施行前に既に登録され設立された会社は、出資期限が本法の規定期限を超過した場合、本法の規定期限内に徐々に調整しなければならない。

新会社法では有限責任会社の出資期限を「会社設立日より5年以内に全額払込」と明確にした。当該規定は既存会社にも適用される。
株式有限会社は引受制から実際払込制へ変更 第98条第1項 発起人は会社設立前に引き受けた株式数により株式払込金を全額払い込まなければならない。 本条では、株式有限会社の株式資本の払込を「発起人が会社設立前に全額払込」と規範化した。
株主出資期限の前倒し要求制度を追加 第54条 会社が期限となった債務を完済できない場合、会社又はその債権者は、出資を引き受けており払込期限が到来していない株主に出資額の早期払込を要求する権利がある。 新会社法では、有限責任会社の株主が会社設立日より5年以内に引受出資額を全額払い込めば良いと規定しているが、会社に期限となった債務を完済できないことが発生した場合、会社又は債権者は株主に出資額の早期払込を要求する権利がある。
利益処分のタイミングを明確化 第212条 株主会により利益処分を決議された場合、董事会は株主会決議が出た日より6か月以内に分配を行わなければならない。 新会社法では、利益処分の期限を株主会決議が出た日より6か月以内に統一した。
資本準備金を欠損の補填に用いて良いことを明確化 第214条第2項 準備金を会社の欠損の補填に用いた場合、任意準備金と法定準備金を優先して利用すべきである。補填に足りなかった場合、規定に基づいて資本準備金を利用できる。 新会社法では、資本準備金による欠損の補填を利益準備金による欠損の補填の後に行えると特別に規定した。
企業の監事会又は監事を設けなくて良い情状を明確化 第69条 有限責任会社は会社定款の規定に基づいて董事会にて董事による監査委員会を設置すれば、本法規定の監事会の職権を行使でき、監事会又は監事を設けなくて良い。

第121条 株式有限会社は会社定款の規定に基づいて董事会にて董事による監査委員会を設置すれば、本法規定の監事会の職権を行使でき、監事会又は監事を設けなくて良い。

会社は監事会又は監事を設けず、董事会にて監査委員会を設置する形で代わりに監事会の職権を行使できることを規定した。

 

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