【2017年2月】新しい外国人就業許可制度の影響について

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 国務院国家外国専門家局は9月27日付で「外国人来中工作許可制度試験実施方案の通知」(外専発[2016]151号)を発行しました。これにより、2017年4月から中国政府は外国人就労者をABCのランクに分類し、中国での外国人就業者に対する明確な基準を打ち出すことが通知されました。
このランク分けの条件の中に、ポイントによる振り分けがあります。こちらについてはすでにご自分がどのランクに該当するか計算してみた方も多いかと思いますが、今回は下記の通り4つの人物パターンに分けて、ポイントによるランク分けのシミュレーションを行いました。

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 前提条件として、①中国勤務期間が9か月以上(15点)ある ②ポイント以外の各ランクの該当条件を満たさない ③地域(西部地区等)、大学ランキング、有名企業等による加点なし と仮定しています。また、Bランクの基本条件にある「学士以上」についても、現在の実務において説明を行えば容認される事例が多いため、今回のシミュレーションでは考慮していません。
Ⅰについては、シニア再雇用の60歳以上の人材を想定していますが、Bランクの場合「60歳を超えるべきではない」との基本条件もあり、現状年齢制限は比較的厳しく管理
されていますので、Aランクでないと年齢制限に抵触する恐れがあります。ただし、高学歴・高収入・中国語高レベルであっても、Aランクの条件となる85点には届かず、前提条件③の加点があってようやくAランクになるため、60歳以上の方のAランク取得はあまり現実的でないと思われます。
Ⅱについては、新卒3年目のいわゆる第二新卒程度の若手の方を想定しました。これより若くなると年齢、就業年数の加点が低くなりますので、厳しいと思われますが、この程度の年齢の方であれば、給与水準にもよりますが、中国語がなくともBランク取得はそれほど問題ではないと思われます。
Ⅲについては、定年間近で専門分野に特化した現地の技術主幹クラスの人材を想定いたしました。この状態でBランクに5点足りないですが、HSK3級(6点)以上で60点を超え
られますので、今後Bランクになれる可能性はあると思われます。
Ⅳについては、現地採用の方を想定しました。一般的に給与水準は駐在の方より落ちるものの、中国語スキル持っていらっしゃる方が比較的多いかと思われ、その場合、Bラン
ク取得は十分可能と思われます。


ただし、本政策は現時点ではあくまで試験段階ですので、4月の正式施行に伴い条件が変更される可能性もあります。そのため、正式施行前後の政策の動向には引き続き注意
する必要があるかと思います。