【2016年11月】外商投資企業の届出制度の実施と実務への影響について

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 2016年9月3日付けで、全国人民代表大会常務委員会の票決により《〈中華人民共和国外資企業法〉等四つの法律の修正についての決定》が可決されました。これを受け、同日に商務部は《外国投資企業設立及び変更届出管理暫定弁法(意見募集稿)》を公布しました。意見募集は9月22日まで行われ、その後10月8日付で商務部より《外国投資企業
設立及び変更届出管理暫定弁法》が公布されました。 以下、《外商投資企業設立及び変更届出管理暫定弁法》の内容についてご紹介いたします。


・規定施行日
公布日(2016年10月8日)より施行


・適用範囲
外資投資企業の設立及び変更で、国家規定により参入許可特別管理措置を実施されている(ネガティブリストに該当する)事業に関係しないもの


・主な変更点
①外商投資総合管理情報システム(以下、管理システムと称します)を利用管理システム(
http://wzzxbs.mofcom.gov.cn/)上で「外商投資企業設立及び変更の届出」を行うことになりました。システムを確認したところ、10月10日より「外商投資 企業設立及び変更の届出」についてシステム上での届出が始まったよ
うです。

②企業設立時の届出
 外商投資企業を設立する場合、当該弁法の対象範囲内であれば、企業名称審査批准を受けた後、営業許可証の取得前或いは取得後30日以内に、管理システムを通じ、オンラインで申請、関連資料の提出を行うこととされています。従来は営業許可証の取得前に商務部門の批准を受ける必要がありました。

③批准証書の取り扱い
当該規定実施前にすでに設立していた外商投資企業で、当該規定に該当する届出を行った場合、届出完了後に批准証書は失効するとされています。したがって、将来的には商務部門発行の批准証書がなくなるものと思われます。
   

④届出完了までの所要日数
提出された情報の形式に対し審査を行い、それが届出の範囲に該当する場合は3営業日で届出を完了するとされています。従来であれば、設立時の申請は審査承認まで約1週間程度要しており、手続きの内容によっては数十日かかるものもあったため、手続きにかかる所要日数が短縮されるものと思われます。

・注意点
 実務上、当該規定に対し各部門の対応が追い付いていないことも考えられます。実際、当該規定公布後に大連市の工商部門に企業設立にあたっての営業許可証申請について電話確認を行ったところ、「申請時には商務部の批准証書が必要」との回答があり、「取得後30日以内の届出」もそもそもできない状況でした。今後改善されるものと思われますが、現状では届出対応前に関連部門に対し事前確認を行うことをお勧めいたします。