【2016年4月】2016年は人事担当が大忙し!!!

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 2016年は、中国の人事担当にとって、2008年「労働契約法」の公布以来、最も忙しい年になりそうです。中国政府は多くの新法律、新政策を出しているため、人事担当がそれを運用する制度に落とし込み、社内に公表、実行しなければ、会社の人事リスクが一気に上がります。その際、人事担当者に会社人事ポリシー、情報収集力、法律理解力などが要求されます。以下、主な人事関連事項を紹介致します。


●派遣従業員を10%以下に抑える
2014年3月1日、中国政府は「労務派遣暫行規定」を交付し、2年以内に会社が派遣従業員を10%以下に抑えることを義務付けましたが、今年2月29日に、この猶予期間が終了しました。しかし、多くの企業では、派遣従業員の正社員手続きがまだ完了せず、10%の目標を達成できていません。政府も、法律の基準に満たない会社に対し処罰も検査もしていませんが、違法企業に対する罰則規定を現在準備中で、チェックも罰則もすこしずつ厳しくなりますので、ご注意ください。

●計画生育関連法律の修正に伴う会社規定の改定
2016年に中国の一人子政策が二人子政策に転換され、一人子政策時代の各種優遇制度が修正されています。各地で結婚休暇、生育休暇、配偶者生育休暇に関して新しい法律が発表されています。これに伴い、会社は、各種休暇を定めている就業規則を修正し、各種休暇の日数、取得時期、方法などを明確にする必要があります。

●最低賃金の調整
毎年最低賃金が発表されていますが、2016年の内容は特別な意義を持っています。中国には「国民所得倍増計画」があり、2020年の国民所得は、2010年の倍にすると発表されています。しかし、2014年から中国経済の発展スピードが鈍化し、安定成長する「新常態」に入りました。今まで政府は意識的に最低賃金を大幅に向上させ、国民所得を増加する政策を取っていましたが、この行為が企業に大きな負担をかけ、経済発展にダメージを与えているとの見解が普及しました。この背景の下、2016年の最低賃金発表は、政府の「新常態」における労働者待遇に関する方針を模索できるチャンスであり、会社の給与審査や給与制度の策定・運用に、根拠を与えるものになります。

●定年年齢の変更
現在、男性の定年年齢は60歳、女性の定年年齢は50歳となっていますが、中国人の平均寿命の伸びと比較すれば、合理的ではないと中国政府から数年前に発表されています。強く反対される中で、政府は2017年に定年に関する法律を改定し、十数年かけて、男女とも65歳定年に変更することを発表しました。1年ごとに、定年年齢を1か月延長するという緩やかな変更なので、企業に対する影響は大きくありませんが、従業員から早期定年を要求される可能性が高いので、関連法律を確認し、事前準備をする必要があります。

●労働法の改定
中国財務部部長から、現行労働法は会社に負担をかけ、経済成長を阻害する要因があるため、早急に変更する必要があると発表されました。政府も昨年から法律会に新労働法の草案に関する意見を聴収してきましたので、早ければ今年の5月にも労働法修正案が発表されると考えられます。社会主義国家なので、解雇や経済補償金などについて大きく変更されるとは考えにくいですが、会社の業績と連動して給与を上下させることが、許可される可能性があります。