[2015年4月]コラム第2回 中小企業で果たすべきCFO業務

2015.04.01  コラム_タイトル用.png

 

 

経営開発室 片瀬陽平  

 

 コラム第2

 

コラム第二回目の今回は、このCFOの機能をめちゃくちゃ簡単にお伝えします。まずはこの簡単なCFOの機能というフレームを確認していただいて、その後にその機能を少しずつブレイクダウンし、マネジメントの何たるか、CFOの何たるかを理解していただければと思います。

 

 

 

【会社の機能】
CFOの機能を考えるにあたり、まずは会社の機能を考えてみることにします。会社には3つの大きな機能があります。
① 営業機能(規模拡大)
② 技術機能(コアコンピタンスの創造)
③ 管理機能(マネジメント)

 

 

会社はこの3つの機能を満たすことによって組織としての形をなしており、そしてこの3つの機能を取りまとめている者が社長(CEO)なのです。そしてCFOは社長をサポートする人材なのでこの3つの機能のどれを取っ払うこともできません(広義のCFO)。

営業畑の方を現地事務所のトップとした際になぜ問題になることがあるのかと言うと、その現地事務所のトップが営業畑の仕事を続け、社長(CEO)としての仕事がおろそかになり、現地事務所が組織としての形をなさなくなってしまうためです。特に管理部門(その中でも財務関係)を現地人に任せるなどして問題となる場合が非常に多くあるのです。

 

CFO業務】
CFO業務と一口に言ってもその活動は多岐にわたります。ただし、前述の通り、その主な業務は“社長のサポートのため”と言い切ることができますので、この営業機能、技術機能、管理機能の3つの機能全てを満たす必要があります。ただ、営業畑の方にとっての苦手機能は100%管理機能です。そのため、今日はその管理機能について主に話します(狭義のCFO)。狭義のCFOとは、会社の財務部門の最高責任者を指します。

 

 

それでは財務機能とは一体何でしょうか?何を目的とした機能なのでしょうか?

 

 

会社の財務機能の目的を一言で表すとしたら、それは、「会社のキャッシュの最大化」を指します。つまり財務活動とは、会社のキャッシュフローと直結するのです。

 

 

それでは、次に、会社のキャッシュフローにインパクトを与える事象を見てみましょう。

 

【会社のキャッシュに影響を与える事象】
① 利益
② 資金繰り
③ 投資
④ 税金
⑤ その他
※簡単にイメージできるためにマルッとまとめています。



会社の財務活動を網羅的に把握するために有効なツールは、会社のキャッシュフロー計算書です。キャッシュフロー計算書は、「営業活動によるキャッシュフロー」、「投資活動によるキャッシュフロー」、「財務活動によるキャッシュフロー」の3種類に分かれています。キャッシュフロー計算書内で利用されている“財務活動”とは、狭義の財務活動と捉えて頂き、上記の財務活動(CFOが行う財務活動)を広義の財務活動と捉えてください。

 

 

この財務活動の範囲を明確にしなければ、CFOの活動範囲・責任範囲も不明確になってしまいます。例えば財務活動の範囲を狭義と捉えてしまうと、その活動は調達や資金繰りなどに限定されてしまい、これではCFOが銀行担当の役員となってしまうのです(銀行のOBCFOとして置いている中小企業がこれだけ多い現状を考えてみると、多くの会社が財務活動という言葉を狭義と捉えているのでしょう)

 

 

当コラムでは財務活動の範囲を上記の通り「キャッシュの最大化」と捉え、キャッシュにインパクトを与える事象をすべてCFOの責任の範囲に取り込む方向で話を進めていければと考えています。

 

 

さて、第2回目のコラムはいかがでしたか?
3回目のコラムはキャッシュにインパクトを与える事象の内、一番大切な“利益”についてCFOが行うことをお伝えいたします。お楽しみに!!

 

以上