[2014年6月号]監査役の登記事項に関する会社法改正案について

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           監査役の監査範囲を、「会計に関するものに限定する」旨を定款で定めている
     株式会社について、その旨が登記事項となります。(会社法改正法案第911条17号イ)

  
   1.監査役の権限及び第三者に対する責任               

     原則 権限:業務監査(※1)+ 会計監査
              その責任⇒取締役の職務を監査する役員として、取締役と同様の責任を負います。
     例外 権限:会計監査に限定
              その責任⇒会計監査に限定して責任を負います。

  mini1406_5.png業務監査責任を問われた例
     食品衛生上その使用が、認められていない添加物を使用した肉まんを販売し、その
     ことが判明し た後に取締役がこれを公表せず、積極的な損害回避の方策の検討を
     怠ったことにつき、監査役は取締役の明らかな任務懈怠に対する監査を怠ったとし
     て、その損害賠償責任が認められています。(平成18年6月9日大阪高等裁判所控訴審判決)

    2.監査役の権限を会計監査のみに限定できる場合(会社法389①)     

     以下全ての要件を満たす場合
      ①非公開会社(株式の譲渡制限を設定している株式会社)

      ②監査役会・会計監査人を設置していない会社

      ③その旨を定款に定める。ただし、会社法施行時(平成18年5月1日)以前に設立
         された資本金1億円以下の非公開会社は、定款に監査役の権限が明記されていなく
         ても、「会計監査に限定されている」とみなされます。
(整備法53・会社法389①)

    3.登記をする時期                          
   
     改正会社法施行後、最初の監査役の就任又は退任が生じた時に同時に登記をします。
     (改正附則第22条第1項)


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