[2012年7月号] 上海と近隣地域の『高温手当』

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 毎年夏に注目される「高温手当」。昨年、上海では4年ぶりに新たな通知が発表され、毎年6月から9月までの4ヶ月間にわたり、手当の支給義務が課されることとなりました。今年も引き続きこの通知が適用されています。通知内容の確認とともに、上海と近隣地域での現状に関し、ご報告します。

まず、昨年上海市で発表された通知の抜粋です。(関于調整本市企業高温季節津貼標準的通知)

● 企業は毎年6月から9月の期間、労働者に高温天気での露天作業をさせる場合や、
   有効な措置を取り作業場温度を33℃以下(33℃は含まず)に下げられない場合は、
  労働者に高温季節手当を支給しなければならない。支給基準は毎月200元である。
● 企業は労働保護の高温季節手当を支給すると同時に、
  継続的に夏季作業場に清涼飲料の提供をしなければならない。
      
 以前は「基準温度を超した日のみ支給」となっていましたが、昨年より「1ヶ月200元」へと変更されました。高温季節手当は「最低賃金」には含まれないため、屋外で作業を行う従業員に対しては、6~9月の4ヶ月間、必ず200元を別途支給しなければなりません。そして、それとは別に清涼飲料を支給する必要があります(200元を清涼飲料代に充ててはいけない)。上海は、表現でも運用でもこれらの手当は強制となっています。
今年は今のところ比較的涼しい日々が続いています。このような状況下での対応を上海市労働局に確認したところ、『「高温」の定義が定められていないため、6月以降に露天作業をさせる場合は、手当を支給すべき』との回答を得ております。

現状に関し、上海近郊の地域でも確認してみました。

■ 江蘇省
  江蘇省の最新通知は、2011年の「関于企業夏季高温津貼標準的通知」です。上海と同じように、6月から9

  月の高温季節手当(200元/月)を支給しなければならない、という表現ではありますが、運用では強制とは 

  なっていません。また清涼飲料の規定はありません。蘇州市と蘇州工業園区にも確認しましたが、江蘇省 

  と同じ運用でした。


■ 浙江省
  浙江省での最新通知は、2010年の「関于調整企業職工夏季防暑高温清涼飲料費標準的通知」です。名

  前の通り「清涼飲料」に関する通知で、6月から9月まで「高温作業のワーカーは200元/月」「高温作業では

  ないワーカーは160元/月」「一般従業員は130元/月」の清涼飲料費支給基準が定められています。しかし

  表現も運用でも強制とはなっていません。また高温季節手当に関しての決まりはありません。杭州市も浙

  江省と同じ運用です。

 

 上記は地域としての通知と運用です。全国としては2007年の「通知」が最新となっていますが、高温下での労働者保護や手当等に関する「弁法」案に対し、先日意見聴収が行われたようです。「弁法」は「通知」よりも強制力の強いものです。今後全国規模でも高温時の対応に変更があるかもしれません。最新の情報は弊社ホームページやQM通信等でご紹介して参ります。