[2012年6月号] 女性従業員の労働保護特別規定

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 4月28日付けで「女性従業員労働保護特別規定」(以下:「規定」)が国務院から公布され同時に施行となりました。手厚いことで有名な中国の産休に関する規定に、全国規模の改正が行われたことになります。今回はこの「規定」に関しお伝えしたいと思います。
※「女性従業員労働保護特別規定」:http://www.gov.cn/zwgk/2012-05/07/content_2131567.htm
 

 

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1.[産休]90日が、98日に増加
今まで:[産休]90日=産前15日+産後75日
今 後:[産休]98日=産前15日+産後83日
[産後休暇]が8日増えました。「晩産」「難産」「多児出産」の追加日数に関しては、触れられていませんでした。今回の適用詳細は上海市細則待ちですが、労働局の話では「4月28日以降の出産に、新規定が適用となる可能性が高い」とのこと。ちなみに、上海市では生育保険に加入していれば、産休期間中の給与は生育保険から支払われますので、企業からの給与支給は必要ありません。また産休期間中の給与は、従来は本人の社会保険基数でしたが、昨年7月より「会社の前年度平均賃金」を基準に支給されることとなりました。

 

2.[流産]のときの[休暇]日数が明確化
■ 妊娠4ヵ月未満の流産:15日の休暇 、妊娠4ヶ月以上の流産:42日の休暇
しかし上海の従来規定では、これよりも手厚いともいえる休暇が定められており、どのような適用となるかは、上海市の細則を待つこととなります。
<従来の上海規定>
妊娠3ヶ月未満の流産:30日の休暇 (「自然流産」か「子宮外妊娠」に限る)
妊娠3ヶ月以上7ヶ月未満の流産:45日の休暇(「自然流産」か「子宮外妊娠」に限る)

 

3.[セクハラ]の禁止条項が明記
 明記した法律はなかったものの、実務上では「従来から禁止」となっていました。

 

4.[女性の就業が制限される業務]に関して書面での事前通知を義務化
社内に「女性の就業が制限される業務」が存在する場合、「書面で事前に通知」することが義務付けられました。就業が制限される業務とは高温、低温、重労働、肉体労働、放射性物質の操作、高圧・潜水作業等の悪条件及び危険労働です。

 

産休に入る従業員がいる場合は、その時点での規定(細則・通知)や法律見解をご確認下さい。上海市細則の発表がありましたら、弊社HP等でお伝えさせて頂きます。