中国で就業する外国人の社会保険加入に関する試行弁法(《在中国境内就?的外国人参加社会保??行?法》)が9月半ばに発布されました。今年6月に草案が提出され、注目を集めてきた外国人社会保険ですが、9月15日に上海市人力資源社会保障局に確認したところ「まだ何も細かいことは決まっていない」との回答でした。
現時点で分かっていることを確認したいと思います。
● 施行日:2011年10月15日
● 対象者:「外国人就業証」・「外国人専門家証」・「外国常駐記者証」などの就業証書を持つ外国人、 中国
の 「外国人永久居留証」を持つ外国人。
※ 現地採用の外国人も、出向の外国人も、共に対象となります。
● 保険の種類:五金(養老、医療、失業、労災、生育)。
※ 住宅積立金は社会保険ではないため、含まれていません。
※ 現在上海市では外国人も任意で社会保険に加入できますが、「養老、医療、労災」の三金のみとなっ
ています。
● 通報:外国人就業証書を取り扱う部門は、速やかに外国人が中国で就業している情報を社会保険部門に
通報しなければならない。⇒草案時には無かった、今回新たに盛り込まれた内容です
● 終止:本人の書面申請にて社会保険関係を終止する場合、社会保険の個人口座にある金額を一括で本
人に支払うことができる。
◎ 以前の草案では、「香港、マカオ、台湾人は外国人の規定を参照する」とありましたが、今回の正式通知
からは内容が削除されています。
◎ 外国人の社会保険の納付基数、比率に関しては、本規定内では「会社と従業員は規定に従い社会保険
費を納付する」とだけ記載されており、詳細は書かれていません。上海市などの地方政府の決定に委ね
られたと考えて良いかと思います。
◇ 試算:上海市の細則は未発表ですが、現在の中国人社会保険比率や基数の上下限が全て同じと仮定し
た場合に、基数上限ではいくら負担が増えるのか、社会保険納付額を試算しました。
A:会社負担額4,325元 養老2,571元(22%) 医療1,403元(12%)
失業 199元(1.7%) 労災 58元(0.5%) 生育94元(0.8%)
B:個人負担額1,286元 養老 935元( 8%) 医療 234元( 2%)
失業 117元( 1%) ※労災と生育:個人負担分なし
合計:A+B= 5,611元 一人当たり月約7万円の負担増となる可能性があります。
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