[2011年8月号] 4年ぶりに変更された「高温手当」

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今年に入り物価上昇や一人っ子手当、社会保険等、コスト増の話題が多いかと思います。今回は、夏に注目される「高温手当」に関して、上海で4年ぶりに新たな通知が出ましたので、ご案内いたします。

 通知の内容は次の通りです。

 

 1.  企業は毎年6月から9月の期間、労働者に高温天気での露天作業をさせる場合
   及び有効な措置を取り作業場温度を33℃以下(33℃は含まず)に下げられない場合、
   労働者に高温季節手当を支給しなければならない。
   支給基準は毎月200元である。
 2.  企業は労働保護の高温季節手当を支給すると同時に、継続的に夏季作業場に
  清涼飲料の提供をしなければならない。
 3.  雇用者のある個人経済組織と民営非企業単位は、参照し実施する。
 4.  本通知は2011年6月1日より施行し、「関于本市企業高温季節津貼標準的通知」
   (滬労保綜発【2007】30号)を同時に廃止する。
   (出所:上海市人力資源社会保障局 2011年7月1日) 
 

 

  では、何が変わったか、今までの内容と比較してみます。
  【以前】「屋外で35℃以上」もしくは「作業場を33℃未満にできない」場合、
       高温手当として最低「1日10元」を支給せよ。
  【今回】「屋外で作業する者」及び「作業場を33℃未満にできない」場合、
       高温手当として「1ヶ月200元」を支給せよ。
       期間は毎年6月から9月までの4ヶ月間。

 

  7月1日付の通知ですが、今年6月にさかのぼって支給しなければなりません。しかも高温手当は「最低賃金」には含まれないため、屋外で作業を行う従業員に対しては、6~9月の4ヶ月間は、必ず、200元を追加支給しなければなりません。

 

  エアコンのあるオフィスが通常33℃未満を提供できているが、エアコンが故障してたまたま33℃以上になってしまった様な場合には、特殊事項として高温手当の対象には含まれませんのでご安心下さい。
また、この200元は、「欠勤」であれば一日あたり約9元を控除することが出来ます(200元÷21.75日)。しかし、欠勤以外の有給休暇や産休等は出勤とみなすため、控除は出来ません。

 

   皆さんも感じていらっしゃる通り、「人件費が安い」中国ではなくなってきています。次回にでも触れたいと思いますが、中国人の社会保険に関しても大きな動きが起こっています。人件費を削るという考え方ではなく、どうやったら利益が増えていくか、そのような攻めのお手伝いができれば幸いです。