[2007年4月号]失業保険について

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 今回は、上海の失業保険制度について見てみましょう。
まず、失業保険とは日本と同じく、失業者が失業期間中の基本生活を保障するため、また再就職を促進するための社会保険制度です。
 負担率は、会社負担分が基数の2%、従業員負担分が基数の1%となっています。

 次に失業保険金受給対象者の条件について見てみましょう。
上海市失業保険実施細則(1999年4月1日施行)では、失業保険金の受給対象条件を以下のように規定しています。
 

  1. 上海市城鎮常住戸籍を保有している事。
  2. 定年ではなく、会社都合による退職があった場合。
  3. 在職期間中に規定通りに失業保険料を納付している事。
  4. 累計で満1年以上失業保険を納付している事。
  5. 失業登録、求職登録、失業保険登録と失業保険金の申請手続きを各区の職業介紹所にて完了している事。

以上の5つの条件全てを満たしていなければなりません。

1.の規定において、上海市居住証での納付者は受給対象外となってしまっています。「保険料を納付しているのに受給できない」事になります。これは、男性が支払っている生育保険も同様です。また、現時点で居住証取得者が失業保険を受給できない理由として上海市失業保険実施細則(1999年4月1日施行)には、「都市戸籍保有者」としか明記していないために対象から除外しているとの回答を得ています。
4.の規定通り、失業保険料の納付が1年に満たない場合は受給対象とはなりません。

 また、失業保険金の給付額は失業保険料の納付額に関わらず、失業前の失業保険料の納付年数と年齢により毎月の給付額が異なります。その金額は上海職業介紹所が決定します。最低給付額は320元、最高給付額は432元と規定されています(2007年3月現在)。
 失業保険金の受給期間は失業するまでに納付した失業保険料の累計年数に応じて計算します。累計年数満1年毎に2ヶ月間給付し、満1年増加毎に2ヶ月ずつ加算。最長24ヶ月間の支給と規定されています。