中国は2013年より商務制度改革に着手し、2015年10月に「三証合一」を全面的に実施しました。その後、2016年6月30日付で、国務院は<「五証合一」登記制度改革の推進加速に関する通知>(国弁発[2016]53号)を公布し、これを受け、2016年7月28日付で工商局等の五部門連名の通知(工商企注字[2016]150号)が新たに公布され、2016年10月1日より全国で実施する「五証合一」改革の具体的な内容について明示されました。
以下、工商企注字[2016]150号の通知内容についてご紹介いたします。
・規定名称
≪国務院弁公庁の「五証合一」登記制度改革の推進加速に関する通知≫の徹底実行に関する通知
・国弁発[2016]53号と比べ明確になった点~移行期間について
「三証合一」と同様に2017年年末までが移行期間とされています。移行期間中は企業が所有している社会保険登記証及び統計登記証は引き続き使用可能ですが、2018年1月1日以降は、これらの証書は無効になり、統一コード記載の営業許可証を使用しなければなりません。
・「五証合一」実施後の実務上の注意点について
①「五証合一」の営業許可証が発行される状況について
「三証合一」と同様に、新規設立時や営業許可証の変更、再発行の手続きが発生した際、統一社会信用コード(以下、「統一コード」と称します)記載の営業許可証が発行されるとのことです。
したがって、経営範囲や法定代表者変更手続き等を行う場合は、同時に統一コード記載の営業許可証への変更となりますのでご留意ください。
②以後の社会保険登記及び統計登記の更新について
制度改革実施後は社会保険登記証及び統計登記証の更新制度は廃止され、従来更新の際に要求されていた報告事項は、「五証合一」実施後、従来の工商年度報告内容に加えて報告を行うこととされています。
おそらくは次回の工商年度報告時(通常毎年6月頃実施)より適用されるものと思われますが、現時点ではまだ実務上の取り扱いがはっきりしておらず、またシステムの大規模な変更がある時は、予想しえない問題が発生することも多々ありますので、実際の対応時、事前に工商等関連部門に具体的な対応方法についてご確認されることをお勧めいたします。
なお、報告した内容は工商年度報告内容同様に公示され、企業の統計データや社会保険納付状況などの情報は、企業信用情報開示システムにて調べられるようになるようです。