PDF版はこちら →ミニかわら版 2025年8月1日号
国際会計基準(IFRS)との整合性を図るため、令和7年4月1日からリース会計基準が変わります。
令和9年4月1日以後に開始する事業年度の期首から適用となりますが、令和7年4月1日以後に開始する事業年度の期首からの早期適用も認められます。
今回大きく影響があるのは、借り手のオペレーティング・リースです。
借り手については、これまでのオペレーティング・リース(賃貸借取引に準じた会計処理)とファイナンス・リース(売買取引に準じた会計処理)の区分を廃止し、全てのリース取引が「資産」と「負債」の計上対象となります。
これに対して、法人税法ではオペレーティング・リースは継続適用となるため、会計上と法人税法上で利益と所得に差額が生じます。この差額は税務申告時に調整することとなります。
[借り手の取扱い]
会計上 | 税務上 | |||
リースの区分 | 改正前 | 改正後 | 改正前 | 改正後 |
ファイナンス・リース | 資産と負債に計上し 期間按分により償却 |
資産と負債に計上し 期間按分 |
資産と負債に計上し
期間按分により償却
|
|
オペレーティング・リース | 支払時に費用計上 | 支払時に費用計上 |
[例] 年間リース料 10,000円 割引率2% 期間5年 の場合
会計上 | 税務上 | |
取得時 |
使用権資産 47,134 / リース負債 47,134 |
なし |
リース料支払時
(1回目)
|
リース負債 9,058 / 現金預金 10,000 支払利息 942 / |
支払リース料 10,000 / 現金預金 10,000 |
期末 | 減価償却費 9,426 / リース資産 9,426 | なし |
※会計上と税務上の差額368円(942+9,426-10,000)は税務上の利益が増えるため、この分が税務調整の対象となります。また、監査対象法人以外の法人(中小企業など)については、引き続き中小企業の会計に関する指針又は中小企業の会計に関する基本要領に則った会計処理も可能とされています。
〇貸手のリース取引
引き続きオペレーティング・リースとファイナンス・リースを区分することとし、その区分に応じた処理を行うこととされました。