PDF版はこちら → 華南通信 2022年12月号
中国共産党第20回大会から、中国発展の全体的な目標の1つとして「高いレベルの科学技術の自立自強を実現し、トップレベルのイノベーション型の国家となる」ことが掲げられ、これに合わせて、製造業企業とハイテク中小企業に限定せず、全ての企業を対象に、財政部と税務総局は新しい税収優遇政策を打ち出しました。本通信では当該優遇政策を中心に、関連内容を以下の通りに纏めています。
国務院の政策により、企業がイノベーションへの投入を拡大することを奨励し、我が国の基礎研究の発展を支えるために、2022年9月30日に財政部、税務総局は共同で「企業の基礎研究への投入に関する税収優遇政策の公告」(以下、「公告」という)を公布し、基礎研究分野での資金提供者と受入側に対して、それぞれ優遇政策を定めました。
一、政策の主要内容
➀資金提供者:企業が非営利目的の科学研究機構、高等学校と政府系の自然科学基金に資金を提供し、基礎研究に用いられる支出は、課税所得額の計算時に実際発生額に基づき、損金として算入することができる上、100%を加算控除することができます。
➁受入側:非営利目的の科学研究機構、高等学校が受け入れた企業、個人及びその他組織機構からの基礎研究への投入資金収入は、企業所得税が免除されます。
また、政策上において、上文に言及した基礎研究についても、以下の定義が行われました。基礎研究とは、ものの特性、構造と相互関係を分析することにより、各種の仮説や原理、法則を解説・検証する活動を指します。但し、国外で展開されている研究を含まず、社会科学、芸術又は人文学分野での研究も含みません。
二、適用対象
➀企業の基礎研究への投入資金に関する損金算入及び加算控除政策は、全ての企業に適用されます。
➁基礎研究の資金収入の企業所得税免除政策は、条件を満たした非営利目的の科学技術研究開発機構、高等学校と政府系の自然科学基金に適用されます。
三、留意事項
➀資金提供者と受入側は関連協議書又は契約書を締結しなければならず、協議書又は契約書には資金が基礎研究分野に使用されることを明記しなければなりません。
➁検査に備えるために、資金提供者と受入側は共に関連資料(企業の資金提供協議書、資金提供契約書、関連伝票等を含む。資金提供協議書、資金提供契約書と資金提供伝票には資金提供者、受入側、提供された資金の用途(基礎研究に使用することを明記する)、提供された資金の金額等の情報を含まなければならない)を保管しなければなりません。
上記の通り、製造業企業やハイテク中小企業だけではなく、非営利目的の科学研究機構、高等学校と政府系の自然科学基金に資金を投入し、その資金が基礎研究分野へ用いられる場合、全ての資金提供者としての企業は課税所得額を計算する際、実際発生額に基づき、損益算入できる上、その実際発生額の100%を加算控除することができます。但し、関連書類の作成と保管等の税収優遇を享受するための条件があります。
当該条件を満たした場合、全ての企業は企業所得税予納申告と年度納税申告時に、申告表の関連する行の項目に記入するだけで、上記の優遇を享受することができます。
基礎研究分野、認められている非営利目的の科学研究機構、高等学校の指定範囲、関連優遇政策を享受するための具体的な申告方法等の詳しい情報について、広州マイツまでお問い合わせください。
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