【2022年6月】コロナ封鎖下での人事の役割

 

 

 

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現在、上海では、空前の封鎖政策が進行中です。北京も段々と厳しくなっているようですし、その他にも、もう解除されたところ含め、いくつもの都市で同様の事態が発生している状況です。

会社にはもちろん出社できず、マンションからも出られない。買い物も自由にできないため、団体購入や小区内での物々交換で物資調達をしつつ、いつ何時、陽性者が身近に出て、隔離施設に連れていかれるかもしれない、と怯えながらの生活をしています。

さて、こうした状況下、単に食べ物や生活資材が入手できる、できない、というだけではない問題が発生しています。それは、

1.四六時中、一緒にいることになった家族との不和

2.恋人など親しい人と会えないことによる寂寥感、喪失感

3.伝え聞こえてくる他の小区や、他の企業に勤めている人の環境との不公平感

4.外に出られない、運動ができない、感染(隔離)リスクが怖い等による鬱

といったものです。

会社はそこまで面倒見られないよ、と思うでしょうか? 確かにそうかもしれません。

しかし、ここのケアを怠ったことにより、封鎖解除後に社員が「こんな会社にはもう居られない」と考えて辞めてしまったり、そうでなくともモティベーションを落としてしまったり、上記4に起因して入院してしまったり、ということが起これば、大変な損失にもなります。

逆に、他社がそこまではやっていない中で、自社は非常に親身に社員のケアをした、あるいはできないまでも寄り添う姿勢を強く見せた、ということになれば、社員のロイヤリティは高まりこそすれ、下がるはずがありません。

今回のような未曾有の事態だからこそ、人事こそが率先して経営者の同意を取り付け、マネジャー達に必要な場合には経費を使っても良いから、部下のケアをするように言ってあげるべきです。また、マネジャー達だって同じ状況にあります。そのケアは、経営者と人事スタッフが手分けして行ってあげましょう。

何か困っていることはないか? 家族とは笑顔で過ごせているか? 少しでも運動はできているか?

普段と違う体調の変調などはないか? Webや微信などで友達と話ししたりしているか?

等々、何でもいいのです。会社は、人事は、従業員ひとりひとりに、人として「関心を持っている」「気に掛けている」ことをしっかりと示してあげてください。ほとんどの社員は、「私は大丈夫ですよ-」と言ってくれることでしょう。でも、「大丈夫だから放っておかれてもなんともない」のではなく、「気にして貰って嬉しい」と感じます。

こうした心のマネジメントは、えてして見逃されがちですが、実は組織を強固にするために最も重要とも言える「自分には仲間がいる」と思わせる重要施策となります。

今号も最後までお読みいただき、ありがとうございました。