外国企業常駐代表機構の税収管理暫定弁法(国税発[2010]18号)及び非居住者の企業所得税査定徴収管理弁法(国税発[2010]19号)が2010年2月20日にでました。主な注意点は下記の通りです。
外国企業常駐代表機構の税収管理暫定弁法(国税発[2010]18号)
1. 企業所得税、営業税は四半期終了から15日以内に申告。増値税も増値税の規定に従い申告する(6条) 中古の固定資産を売却した場合に、増値税を納める必要があります。
2. 企業所得税納税方法
① 実額課税方式(6条) 帳簿を設け、有効な証憑により記帳し、課税収入、課税所得額を計算
② 経費課税方式(7条1項) 収入額=当期経費/(1-査定利益率-営業税率) 企業所得税額=収入額×査定利益率×企業所得税率
③ 収入課税方式(7条2項) 企業所得税額=収入額×査定利益率×企業所得税率
3. 査定利益率は15%以上(8条) 従来の10%から15%へ増税となります。 経費100とする場合、従来は営業税+企業所得税で8.82でしたが10.93となります。
4. 租税条約の待遇を享受する場合は国税発[2009]124号に従う。(10条)
5. 免税申請の廃止及び以前の免税事務所の整理(11条) 上記の租税条約享受申請が残されていますが、今後の動向が注目されます!
6. 2010年1月1日より施行(11条)
非居住者の企業所得税査定徴収管理弁法(国税発[2010]19号)
1.査定利益率 請負工事、設計、コンサルティング 15%~30% :管理サービス 30%~50% :
その他役務、役務以外の経営活動 15%以上(5条)
従来の査定利益率は10%~40%でした。
2.非居住企業と中国居住企業が機器設備、貨物の売買契約を締結し同時に設備据付、組立、技術訓 練、指導、監督サービス等の役務を提供し、役務サービス金額を明示していない場合は、売買契約 の原則10%以上で役務サービス収入を確定して企業所得税を徴収できる。(6条)
機械販売+設置、スーパーバイジング等を行う場合は注意する必要があります!
国税発[1995]197号では契約の5%以上でしたが10%以上になっています!
3.中国国外提供役務(原則企業所得税はかからないが)に対して税務機関は有効な証明資料の提出 を求めることができ、有効な証明が提供できない場合は、全て中国国内で発生したと税務局はみな して企業所得税を徴収できる。(7条)
実務上、国外役務の主張及び租税条約享受の主張が認められるか、今後の動向に注意する必要 があります。