2008年から「ロイヤルティーを日本本社に支払う際、親子ローン(本社からの借入)利子に係る税率が高くなった?」というお問い合わせが増えておりましたが、これを確認する通知が出ました。9月25日付けで「非居民企業の企業所得税徴収に関する問題通知」(財税[2008]130号)が公布されております。
内容
外国法人(非居民企業)が中国国内に機構・拠点を設けていない或いは機構・拠点を設けているが、獲得した所得がその機構・拠点と実質的な関係がない場合には、中国国内源泉所得に対して企業所得税を納付しなければならない。(企業所得税法第3条3項)
この場合の課税所得額の計算は下記のとおり。(企業所得税法第19条)
(1)利益配当等持分性投資収益及び利息・賃貸料・特許権使用料所得は収入総額を課税所得額とする。
(2)財産譲渡所得は収入総額から財産の簿価を差し引いた後の残額を課税所得額とする。
(3)その他所得は上述の2つの項で規定する方法を参照して課税所得額を計算する。
外国法人が中国国内源泉所得を取得する場合、課税所得額の計算において、上述条項で規定する以外のその他の税費用支出を控除してはならない。
|
1.従前の取扱い
(例) ロイヤルティー1,000元を日本本社へ送金
する (1) 営業税:5%(1,000*5%=50)
(2) 源泉所得税:上記(1)を控除した残額に対
し10% (1,000-50)*10%=95
税額合計:50+95=145
(実際送金額は1,000-145=855) |
2.2008年以降の取扱い
(例) 左記1.に同じ
(1) 営業税:同じく5%(1,000*5%=50)
(2) 源泉所得税:10%(1,000*10%=150、
上記(1)は考慮しない) (3) 河道管理費(*):営業税の1%
(50*1%=0.05) 税額合計:50+100+0.05=150.05
(実際送金額は1,000-150.05=849.95) |
(*)中国語は「河道工程修建??管理?」;河道管理費に関しては、上海市の場合「当市の河道管理費徴収に関する通知」(?府弁発[2006]9号)に基づいて営業税額の1%が徴収されます。
また中国国内源泉所得、中国国外源泉所得は以下の原則により確定されます。(実施条例第7条)
(1)商品販売所得は取引活動発生地により確定する。
(2)役務提供所得は役務の発生地により確定する。
(3)財産譲渡所得について、不動産譲渡所得は不動産の所在地により、動産譲渡所得は動産を譲渡する企業又は機構・拠点の所在地により、持分投資資産譲渡所得は被投資企業の所在地により確定する。
(4)利益配当等持分性投資所得は所得を配当する企業の所在地により確定する。
(5)利息所得、賃貸料所得、特許権使用料所得は所得を負担する又は支払う企業、或いは機構・拠点の所在地により、或いは所得を負担する又は支払う個人の住所により確定する。
(6)その他所得について、国務院財政、税務主管部門が確定する。